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病弱な少女は冷酷な皇太子に溺愛される  作者: 霖月あおい
第一章 急な婚約と結婚式
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皇族教育2.5

「ヴァイオリン…」


「苦手なのかしら?」


「いえ…ピアノに比べて不得手なのです」


「大丈夫よ。弾いてみて」


「はい」


あまり得意ではないヴァイオリンを構え、わたくしは1つ息を吐いてから、弾き始めます。

それほど難しくない曲を選んだにもかかわらず、押さえ間違いをしてしまい、顔が赤くなるのを感じました。


「申し訳ございません、お見苦しいものを…」


「いいえ。久しぶりなのでしょう?ならば素晴らしいわ」


「ありがとうございます。ですが、本当に指が動かなくて…」


「仕方ないことよ。楽器は触れなかった時間が顕著に出るものですから」


「しばらくは、毎日触れて感覚を取り戻しますわ」


「えぇ。そうなさって。では最後に社交ダンスをいたしますか。クリスティア様が気をつけることは唯一つですから、慣れてくださいね」


「はい。皇族の方々以外と踊らない。ですね?」


「えぇ。特に身分が釣り合う可能性のある高位貴族の令息と踊るのは厳禁です」


「わかりました」


「では、トリエステ」


どうやら、トリエステが相手役を行ってくださるようです。互いにお辞儀をし、音楽の始まりとともに、ワルツのステップを踏みます。途中でトリエステにキュッと腕を引かれたわたくしはその反動を利用してくるりとその場で回ってみせました。その後も次々と仕掛けてくるトリエステの小技を躱していると目が回っていきます。なんとか笑みを絶やさず、息も上がらないように気をつけながら踊りきったあと、異変を感じて駆け寄ってきたリナにもたれかかるようにして、わたくしは倒れ込みました。


「クリスティア様っ!!」


「クリスティア様、申し訳ございませんでした」


「大丈夫ですか、クリスティア様?リリー!殿下の侍医を!」


「トリエステ、クリスティア様をお部屋へ。わたくしも付き添います」


「失礼いたします」


トリエステがわたくしを抱き上げます。しばらく揺られているとベッドの上に寝かされました。少し泣きそうな顔をしたリナにほほえみ返しながら、お医者様の診察を受けます。と申しましても、お医者様が淑女の体に触れることは出来ないので、どうするのかと思っていたところ、診察はヴィクトリア様が行い、それを聞いてお医者様が診断を下すという形式でした。少し息が楽になったところで、次は意識が朦朧としてきます。


「クリスティア様、少し失礼致しますね」


「あ…の…ヴィクトリア…さ、ま…」


「朦朧とするのならば、目を閉じていても構いません。意識を失っても大丈夫ですよ」


「は…い…」


ヴィクトリア様にそう言われ、わたくしの意識は闇に落ちました。


短い…けど、お許しください。

おまけで短編を付けておきますね。リナ視点で、準備をしているときのお話です。

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