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プロローグ
『君の見る空が千回晴れたら、きっとまた会える。だから、僕が君のそばにいたこと忘れないでいて』
あの日、晴れであってほしかった。
あの日、晴れじゃなきゃいけなかった。
彼女の涙はまるで雨のようで、本物の雨に消えていった。
あの日、僕は彼女と約束したんだ。
そして、月日は流れ…―。
明日晴れれば千日目。
ずっと待っていたその日が来る。
『君の見る空がきっと晴れであるように、僕は頑なに祈るから。だからもし明日晴れたなら、君と一緒に空を見上げたあの橋の上で会おう。僕は今でも……』