表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

無味乾燥

作者: 朝焼 悠

希望は

もう見る影もなくなって

探したって

どこにも破片すら消え去った


後は

残ってしまった

不安に飲み込まれないように

毎日

言い訳をして

目を逸らして

見ないようにして

死ねなかった意地汚さの所為で

やってくる明日を生きるだけの日々


仕事がある日は

どうにか誤魔化せている

忙しい振りをしていれば

時間は過ぎていくから


ただ

休みの日と

発作的に襲ってくる

過去の思い出と淋しさは

上手く処理できなくて

普段はどうにか自分の

そこに沈めてある不安が

かき乱された心の揺れに乗じて

頭を覗かせてくる


お前はこの先ずっと一人なんだと

何も残せやしないんだと

諦めて認めろと


できないことが多くて

弾かれてばかりだったんだ

そこから自分で

外れていくようになって


それでもいつかは

戻れるかもって

それでもいつかは

認めて 受け入れてもらえるかもって

そんな人たちと

出会えるかもって


もう死んでもいいはずなのに

僕は死ねないから

これだけは絶対って言えるかな

あの時だってそうだったけど

だって滅茶苦茶恐いもん

死ぬのも 終わらせてしまうのも


最近 登ってくる朝日を見るたびに

申し訳ない気持ちで一杯になる

こんな心構えで

のうのうと生き延びていること


本当は

こんなんでもどうにかなるんだって

言えるようになって

似たような苦しみや淋しさの中から

出られなくなっている人の

背中を押せるようになりたかった


でもこんな様じゃ

一緒に頑張ろうとも戦おうとも言えなくて

目を逸らして見ないようにするので精一杯

何一つ解決しようと立ち向かいもせず

恐がって先送りを続けるだけが精一杯の

こんな様じゃ


一人の時間を長く過ごしてきて

一人でずっと考えてきて

そんな僕が見ている 考えられる

僕自身の未来は

どこまで行っても一人ぼっちで

孤立を深めたまま朽ちていく

そんな姿と人生だけ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 可能性 そこに 目の前にある 鍵 おっかなびっくり 電流が流れているのか あるいは罠がはってあるのか トラウマ思い出す電気ショック 感電死 まだ生きてる 恐怖心が煽り立…
[良い点] はい、今日も手を握っていようね。 心だけしか行けないけれど、一緒にいようね。 ひとりぼっちじゃないよ。 寄り添っているからね。 大丈夫だよ、 大丈夫。 よしよし。
2021/04/14 20:29 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ