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第七話 特別捜査本部

「連続殺人事件特別捜査本部」として大掛かりな捜査が始まっていた。木藤も加わっている。

刑事は所轄警察署と合わせて数10名、約200人近い捜査人員が投入された。指揮を執るのは事件の重大性により本部の課長(警視正)が指揮を執った。捜査本部長のもとには、副本部長、事件主任官、広報担当官、捜査班運営主任官、捜査班長、捜査班員という編成で運営される。このとき、鑑識活動が重要とされた場合は、副本部長として鑑識課の課長が任命され、さらに鑑識資料分析官として鑑識課の職員が捜査本部員として加わる場合もある。


「何ともお偉方のオンパレードだな。白城」

「し!木藤さん!」


警察について少し話す。

神奈川県警とか埼玉県警などとよく耳にする。日本の警察は、47都道府県ごとに、その地域をまとめる県警(府警、道警、警視庁)を設置している。近所には「深川警察署とか向島警察署」と地域警察があるが、それを所轄と呼ぶ。それらの複数の警察署(県内など)を取りまとめているのが、県警、府警、道警、警視庁である。警視庁は東京を束ねる1組織だ。が、東京は日本の首都である。なので、警視庁トップとは日本の警察官のエリート中のエリート。警視総監である。

警視庁は、東京の治安維持や、東京内で起きた事件の捜査や犯罪者の逮捕などを行う。

それに対して「検察庁」と云う組織がある。

この組織は警察全体の防犯対策や、刑法の運用、規則の作成などを行う。この人達を俗に云う「キャリア」と呼ぶのである。各都道府県の警察の管理をする。国家公務員である。


警視庁=首都東京の管轄区域の警察組織

警察庁=警察制度の運営、行政の管を行う組織


「キャリア」に対しての「ノンキャリア」とは警視庁で働いている人を指す。「たたき上げ」と云うこともある。実務経験官である。

東京には官庁や皇居があります。日本の重要な箇所である。その東京を守ると云う事は重要性、規模から、警視総監には大きな権限がある。キャリアは国家公務員、ノンキャリアは地方公務員に該当する。

警視庁だけで4万人居る。


捜査本部

凶悪事件に対し、特に連続殺人となれば、大量の捜査員を投入し、犯人の早期検挙に努めるのが目的である。「本部係検事」は、法律実務家としての視点から証拠を見て,刑事裁判で適正な判決を得るに足りる証拠が収集されているかどうか?を見極め、被疑者を検挙すべきかどうかを警察と共に判断する。この判断をできる限り迅速に,かつ適正に行うため、本部係検事は事件発覚後。直ちに警察から連絡を受け、事件現場に駆けつけ、死体の検視や司法解剖等に立ち会い、重要な証拠を自分の目で確認したりしながら、警察と共に捜査を行っていく。

検察官は,事件の全容が解明されてから事件に関わることになるが「本部係検事」は、事件発生直後から,自らも主体的に捜査に関わり、凶悪重大犯罪の捜査方針の決定に携わることが出来る存在である。


「木藤さん。彼の方が前田警視正。彼の方が本部係検事の舟盛ふなもりさんですね。」

「エリートだよ。どれほどなのかな?本部係検事は善いとしても警視正なんて机上で物事を決める連中だ」

「僕はゴマスリしたいですがね」

「馬鹿野郎」


皇居が狙われるかもしれない


そういう提案をしている。事件の詳細説明がされると各班に分かれた捜査に出向いた。

皇居周辺、あのサイン周辺10km範囲に東京の所轄警察官を置いた。本庁第一捜査課は10課まである。そこからも複数の刑事っを動員。さらにマル暴からも。

「どでかい捜査ですね」


特に広域暴力団、支部などが置かれた地域は多く動員された。

木藤と白城も出かけようと下が、呼び止められた。

「警視正が?俺を?」


木藤は渋々、彼の所に行った。

「前田警視正、私に何か?」

「あなたが木藤刑事?あなたは白城刑事ですね?こちらは舟盛本部係検事」

「私たちは云わば1兵隊です。そんな者に何か?」

「まあまあ。あなたの経歴を読んだ。実に特殊な事件に関わっていますね」

「あなた方、私が着く前にもう既に違う現場に飛んでいた」と横にいた舟盛本部係検事が云った。

「はあ、立て続けだったので・・・」

「別に攻めているわけじゃないですよ。捜査官として当たり前です」

前田警視正「皇居が襲撃されると警告したのは、あなたですね」

「はい」

「根拠は?」

「確信はありません。危険性があると述べた。あのサインの位置からです」

「あのサイン・・・あなたはまだ続くと思っていますね」

「当然です。この犯人は警察に挑戦しています。この謎を解いてみろと」

「・・・私は疑問を持っています。今までは連続で反社会勢力、しかし次は天皇だと云う。しかし、私たちは尊重した。皇宮警察、宮内庁にも協力してもらう」

「間違っているかもしれませんよ」

「構いません。舟盛さん・・・」

「警視正の云う通りだ。私も現場検証、鑑識を行っているが・・・正直お手上げなのですよ。そしてあなたと同じ見解をもっている。まだ続くと」

「単独ではありません。数人の犯行です」

前田警視正「・・・木藤刑事、そんな話じゃ無い。あの現場を見たあなたは、あなたの考えがあるでしょう?」

「・・・・・・・・」

「何でも構いません。おっしゃってください。例えば・・・・人間の犯行では無い・・・・と思っていませんか?」

「!!!!!!」

「須佐ですか?」

「なんだって?!」

警察のトップは須佐を知っている!

「こんな殺しは須佐しか出来ない・・・」

「待ってください。しかし・・・」

「そう、須佐の仕業ではない。須佐に関連する何者か?あるい化物の仕業。刑事がやる仕事では無いとも思っています。危険すぎる」

「しかし・・・」

「世間に犯人は化物ですとは云えない。が、捜査は続けます。市民をこれ以上怯えさせないために」

「こいつは相当頭が切れます。証拠を一切残さない。いや、天馬組に生き残りが1人。しかし特定がまだです」

「マル暴が進めていますね。唯一の目撃者?・・・。しかし、どの道、今の捜査では無理です。科学を超えている。だから皇宮警察を通じて須佐とコンタクトを取ります」

「そんなことが警察庁、検察庁で許されるんですか?」

「無理です。だから私の一存で決めた。しかし、須佐は闇の者たち。そうすると我々は何が真相か?わからずに未解決事件として処理されるかもしれない。そこであなたには、他の捜査員とは別行動で続けてもらいたいのです。真相の解明のために」

「オカルト事件として捜査せよと?」

「はい」

「警視正はなぜ?そんな結論に達するのですか?」


「木藤刑事、私の先祖はあなたの先祖の部下でした」

「はい?」

「例の九尾狐事件ですよ。共に戦った」

「え?」

そういえば岩手の事件の時、裏で手を回してくれた警察トップがいたと聞いた。この人か?

「舟盛本部係検事、これで善いですか?」

「前田警視正、構いません。明らかに解決は未だ難しい。何の手がかりもない。打つ手があるなら何でも。それに早急に止めねば。しかし、私には信じられませんがね」

前田警視正は舟盛本部係検事に向かってニコッとした。

「木藤刑事、お願い出来ますか?」

「願ってもいないことです。つまり単独で自由に動けと?」

「私が責任を負う。好きにやってください」


私が責任を負う


最近、警察のトップにまで及んだ不祥事が多い。木藤はそんな警察を半ば諦めていた。しかし、トップにこんな人がいる!思うに。前田警視正は本来上からは嫌われているのだろう。しかし、木藤にとっては救世主のように思えた。


「百目野はどうしているかな?」

木藤は百目野にアドバイスを求めようと思った。

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