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怪しげな女

「少し、お話ししない?」


彼女はそう話しかけてきた。

フードを被った女性だ。顔は見えないが、雰囲気的には美人だ。

だが、あからさまに怪しい。怪しすぎるにもほどがある。

余りにテンプレ。何度見たか分からん。

ここでホイホイ着いていくことこそまさに愚の骨頂。

どうせ、魔王軍でしたwwwドンマイ展開か

王女様が上目遣いで助けてっていってくるかのどっちかだろう。

ここでの場合、敬語でないので王女の可能性は低いか。

よし断るぞ。だが断る。


「すみませんが疲れているので遠慮させていただきます」


「良いから着いてきなさい。拒否権はないわ」


は?なんなんですかこいつ。

速い。速すぎるぞ。あの狼でもここまでのスピードではなかった。

抜いた剣の切っ先が俺の頬を掠め血が流れる。

血が流れてきて初めて状況を理解した。

格が違う。強すぎる。

着いていかないと殺される。

人混みに紛れ見えなくなりそうな彼女を全力で追いかけた。

彼女が入って行ったのはバーというやつだろう。

未成年の俺はもちろん入ったことはない。

初バーをこんなことで経験するとは思わなかったよ。

恐る恐る中に入る。

彼女はカウンターに座りマスターらしき初老の男性からグラスを受け取っていた。

俺もとなりに座る。


「お飲み物は何がよろしいですかな?」


「水でお願いします」


「畏まりました」


渡された水を少し飲む。

彼女は何故俺をここにつれてきたのだろうか。

マスターと彼女は初対面ではなさそうだ。

と言うことは魔王軍とかではないのか?

嫌、かねてから潜伏していた可能性もある。

警戒を解かない方が良いだろう。無駄かもしれんが。


「そう警戒するな。少なくともお前の敵ではないよ」


「何が目的なんだ」


「そうだな、まずは自己紹介をしようか。

 私はリゼリット。S級の冒険者だ」


S級だと。成る程それならばあの実力も理解できる。

だとしても目的は何なんだ?


「目的が気になって仕方がないって顔をしているな。

 じゃあどうやって冒険者のランクが上がるかわかるかい?」


「知りませんね」


「ランクをあげるには2つの方法がある。

 昇級試験を受けるか高ランクモンスターを倒すかだ。

 昇級試験ではA級まであげることができる。

 1回の試験でランクは2個までしか上がらない。

 それに対し高ランクモンスターを倒すと一気にS級まで上がることができる。

 なるかどうかはべつとしてね」


「なるかどうか?」


「そう。S級ってあんまりなる人いないんだよね。

 S級っていろんな恩恵が有るんだけどねその代わり弟子をとらないといけない。

 まずS級になれるような奴って常人なわけがないんだ。

 そんなやつらがS級になるわけがない。

 だから魔王の誕生によって魔獣は活性化してきているのに若い世代が育っていない。

 優秀な冒険者が足りないんだ。

 私もまだ弟子をとっていないのでな良い素材を探していたのだが

 私が直々にとろうと思える逸材にもなかなか出会えなかった。

 そんな中見つけたのが君だ。

 君があのフェンリルを倒したのを見たとき確信したよ。

 君は紛れもない逸材だ。断言しよう。

 それでだ、」


饒舌に話すリゼリットは最後にこうつげた。


「私の弟子に成らないか?」








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