ほーれんそー
どうしようか。
こいつは仮にもC級だ。それを倒したとなると、
俺も評価されてしまうだろう。
では、あの時素直に負けておくのが正解だったのだろうか。
だとしても、俺の評価は無謀にもC級に喧嘩をうったバカ。
そんな感じになるだろう。
それもそれで嫌だな。
じゃあ困っていた受付嬢をそのままにしておくのか。
それはあり得ない。
困っている美女と友人と老人は助けるべきだ。
そうなればこれは正しい選択だったのだ。
自分にそういい聞かせる事にした。
あの狼の角を見せる予定だったが、やめた方がいいだろう。
あの狼はこいつより圧倒的に強かった。
そうなるとさらに注目を集めてしまうかもしれない。
だが、そんな存在がいたことは報告した方が良いだろう。
5分くらい歩くとギルドへ到着した。
俺がアルファを担いでるのを見て周りの冒険者が驚愕で目を見開いていた。
まあ、普通はそうなのだろうが。
注目を受けるのは恥ずかしい。
やっぱり先程の行いを後悔する。
取り敢えずアルファの看護を任せ、クエストの達成を認めて貰う。
受付嬢さんは、俺が無事なのを見て泣きそうになりながら喜んでくれた。
有りがたいが、俺ってそんなに頼りないだろうか。
悲しくなるね。
それと、大きな角を持った狼がいたことを報告する。
すると焦ったように部屋に駆け込んでいった。
おいやっぱあれヤバイやつなんじゃ。
俺ってもしかして運悪いのか?
受付嬢さんが俺に写真のようなものを見せてきた。
ん?何で写真なんてあるんだ?
魔法とかで出来るものなのかな。
その写真は間違いなく俺が戦った狼だった。
「はい、こいつですね。俺が見たのは」
「やっぱりそうですか」
「なんなんですかこいつ。すごく強そうでしたけど」
「この狼の名前はフェンリルと言います。
魔獣にもランクが定められているのですが、
このフェンリルのランクはA級相当です」
ヤバすぎません?
Aってさっき苦戦したアルファよりもランク上って。
よく俺勝てたな。やっぱ運良いかも。
受付嬢さんは上への報告にいってしまった。
もう帰ろうか。疲れたし、体もいたい。
ギルドを出てすぐにある女性に話しかけられた。
まずは、多くのかたに閲覧していただけたことを、感謝させていただきます。
作者の公星です。
評価やブクマを多くのかたにしていただきまして、幸せで胸が弾けそうです。
此れからもどうぞよろしくお願いします。