結婚する?
「えっ、何がどうなったらそんなことになるんだよ」
リード様は絶句した。そうだよね。私もそう思います。
ロニーとエリゼさんが結婚を決めてからあれよあれよという間に準備は整えられていく。
ロニーは相談の結果シュー様のラングレー家からお婿に入ることになった、義弟が本当の弟になって私にとっても義弟になって?よくわからないけど、まあそういう運びだ。
「ロニーはエリゼ嬢を嫌っていたんじゃないのか?」
私はいつもの定食屋のAランチをつつきながら微笑む。
「ロニーは泣き虫嫌いなのに泣いてる顔に絆されちゃったみたいですよ」
「よくわからないが本人達が幸せならそれで良いよ」
リード様は遠い目をした。
「リィナ、僕たちも向こうでならいつでも結婚できるよ」
「シュー様はこちらの騎士団に所属してますし、こちらで暮らすとなったら世間体もあるのでダメです」
私は出来るだけ素っ気なくノーを言った。大きな犬耳がしゅんとする。うん、可愛い。
「おい、独り身を前にイチャつくなよ」
「…そういえばリード様は彼女はいらっしゃらないんですか?」
騎士だし美男だしよりどりみどりなんじゃないだろうか。
「残念ながらいないな、紹介してくれるなら会うぞ」
リード様は苦笑しながら言った。
「ええっと…とってもがっつきますけど良いですか…?」
私は何人か居る恋人募集中の友達の顔を思い浮かべた。だめだ。騎士だし銀髪青目だし、リード様が危ない。
「リードさんはいつも恋人が居るようないないような感じなんだから、難しいんじゃないですか?」
シュー様がすこし意地悪な顔して微笑む。
う、格好良い。好き。
「人聞き悪いこと言うなよ。なんだ、その居るようないないようなって」
「リードさんは気がついてないうちに告白されて気がつかないうちにフラれてるんですよ」
なにそれ??
「それにいつまでも思い出に縛られることはないんじゃないですか」
「…そうだな、その通りだよ」
なんだか聞き返せない雰囲気だった。




