実家訪問
「シューマスが平民と結婚?良いんじゃないか?」
さらり、と返されて私は驚いた。相手はシュー様のお兄様、もう既に家督を継がれている長兄のライオネル様だ。ちなみにご両親は病気で既に他界されているそうだ。
「こちらの騎士団に入ったばかりの時にあの運命の番騒ぎだったからな、不憫な思いをさせてしまったが、良い相手が見つかったようで安心したよ」
反対されないかと心配していたけど、ほっとした私はやっぱりお顔の綺麗な方のご家族は綺麗な方が多いんだなぁと思った。平たく言うとライオネル様、めちゃくちゃ格好良い。眼福。遺伝子、良い仕事した。
シュー様がもう少しお歳を召したらこんな感じになるのかなーとにまにましてしまう。
ちなみにライオネル様は先日流行った流行病で婚約者を亡くされて今も未婚らしい。やっぱり貴族の嫡子ともなると幼い頃からの婚約者って居るんだな。
弟のロニーは近くの宿屋で留守番させている。これは私が絶対譲らなかった。初回だし反対される要素を少しでも排除しておきたかったからだ。シュー様とリード様は問題ないって言ったけど…
「リィナ、兄さんの顔そんなに好き?」
こそっと耳元で囁かれてビクッとしてしまった。
ちなみにライオネル様は友人であるリード様と談笑中だ。
「…シュー様が何年かしたらこんな感じなのかなって思ってたんです」
まじまじ見ていたことがバレた私は恥ずかしくなって小さくなった。
シュー様は苦笑しながら小さな声で言う。
「ライオネル兄さんとは確かに僕と似ているけど、次男のエクレール兄さんはぜんぜん似てないよ」
「そうなんですか?」
「とても強くてサリューの騎士団長を務めているんだ。会ったら驚くと思うよ」
「驚く…んですか?」
「会ってからのお楽しみだ」
ウインクしてから顔を元に戻した。
「仲が良いのは良いことだな、シューマス。式はどうするんだ?」
「リィナが成人してから向こうでします。兄さん達にも都合がつけば出席してもらいたい」
「もちろんそうしよう。…だが、リィナはまだ成人前なのか?16は越えているように見えるが」
「向こうは成人が18なんですよ、兄さん」
「そうか、あちらとこちらで習慣が違うのは致し方ないな。招待状を楽しみにすることとするよ」
それと、とライオネル様は言った。
「リィナを前に聞くことではないかもしれないが、お前の運命の番のことだが…先方からお前に婿入りの打診が来ているが正式に断る。それで良いな」
「あの女狐」
チッとリード様は舌打ちした。私も驚いた。あのカリンさんはもしかしてまだ諦めてない…?
「勿論だ。誰が何と言おうと僕はリィナと結婚する」
私の手をぎゅっと握るとシュー様は言った。
「お前が運命の番のことでこれ以上振り回されるのを見るのは私も辛い。何かあったら私とエクレールを頼れ。良いなシューマス」
力強い視線が頼もしい。私ははーと息をついた。格好良いんだもん。仕方ないよね。
「ありがとう、兄さん」
2人は握手した。




