変態と俺の妹の出会い
お久し振りです。年が明けましたが今年もよろしくお願いします
「結局ついてくるんだな、お前は」
俺、つまり北浜柊はどういうわけだか変態ガールこと、今永早希とともに下校していた。
「妻が夫の隣にいるのは当然でしょう?」
いや、まだ結婚してないんだがと思ったが、それを言ってもムダだろう。
「どこまでついてくるんだよ? お前の家から離れてるんじゃないのか?」
「大丈夫。そんなに離れてないわ。そもそもあなたの個人情報は家が近いからこそ調べられたのよ」
俺はあきれてため息をつく。早希は終始嬉しそうな表情を浮かべている。そんな俺たちの今の顔は真逆と言えるだろう。
街を歩く人たちは俺たちのことをチラチラ見ている。早希は顔やスタイルは可愛いし、自分で言うのもどうかと思うが、俺も顔立ちはいい方だ。男女関係なく、俺たちが憧れの視線をぶつけてくる。
しかし、彼らも片方は超がつくほどの変態で、もう片方は女嫌いなどと誰1人思わないだろう。
「なぁ、どうして俺なんだ?」
きょとんとした顔で彼女は答える。
「どういうことかしら?」
「いや、俺じゃなくてもいくらでもいい男はいるだろ? 例えば、京太郎とか」
「京太郎くんは比奈とくっつくべきよ。私はあなたが大好きだから惚れたの。それ以上の理由がいるかしら?」
彼女からは笑顔はすでになくなっており、本当に真剣な表情になっている。俺はそれに圧倒されつつ答えた。こんなにも愛してくれる人がいるなら悪い気はしない。それどころか、俺からも歩み寄ってみようか。
「まあ、お前がそう言うならそれでもいいけどさ。変態的行為はやめてくれよ」
「それは無理ね。私は柊くんといろいろなことをしなきゃ生きていけないわ」
前言撤回。こいつのところに歩み寄ったら、何か大事なものを失う気がする。高校生にしてそういうことになるのはごめん被りたい。
「いろいろなことってなんだよ。気持ち悪い」
「あらやだ。女の子にそんなこと言わすの? あなたも大概の変態ね」
変態に変態と言われたことにショックを受けながら、俺はため息を再びついた。
しばらく歩いて俺は家に着いた。
「ここまででいいぞ。ありがとうな」
言ってもムダだろうと思いながらも俺は言ってみる。
「何を言っているのかしら? ここまで来たならあなたの妹さんにもお会いさせてもらうわ」
そう言うと思ったよ。断ったところで、意味はないだろうから、俺は、
「分かったよ。あまり長居するなよ」
と答えた。そしてドアを開けた。
「ただいま、由衣」
俺が声をかけると、彼女は笑顔で出迎えてくれた。
「おかえり、お兄ちゃん。……その人は誰?」
「俺の部活仲間の「柊くんの妻の今永早希といいます。よろしくお願いします」っておい……」
俺が話そうとすると、早希が強引に割り込んできた。由衣は目を白黒させながらアワアワ答えた。
「えっ、そ、そうなの? お、お兄ちゃん、早希さんご結婚おめでとうございます? 私は妹の北浜由衣です。よ、よろしくお願いします」
「由衣さん、こちらこそよろしくね。本日は結婚の挨拶に参りました」
「あ、そうなんですか。兄をどうかよろしくお願いします」
この変態の戯れ言に妹が振り回されかかっている。俺は慌てて声を挙げる。
「おい、待て。結婚のご挨拶に来たわけじゃない。由衣もアホな冗談を真に受けるな」
「あら、一緒にあんなことをしたのに、まだ言うのね」
由衣はさらに驚きながら、
「あ、あんなこと!?」
と叫ぶ。普段、穏やかな由衣がここまで慌てるのも珍しい。
「黙れ変態アホ。安心しろ、由衣。俺はまだ捨ててない」
「あら、私はそんなつもりで言った訳ではないわ。不埒な想像をしたあなたこそ、変態ではなくて?」
その素晴らしい笑顔、めちゃくちゃ殴りたい。女じゃなきゃ殴ってただろうな。というか、この状態をどうにかしないとな。
「いいか? 今日はあくまで偶然一緒に帰ったからだ。まったく結婚とかはまだするつもりはない」
「まだということは、いずれするつもりがあるのね」
「うるさい、変態は黙ってろ」
文字数が増えて入力が面倒くさいだろうが。あ、ごめんなさい。つい、メタくなってしまいました。
「……あ、そうなんだ」
由衣は落ち着きを取り戻して言う。
「早希、もう十分だろ? 挨拶も済ませたしさ」
「そうね。次の挨拶は出産のご挨拶になるかしらね」
……本当に黙ってれば顔はいいのに。
俺は心の中で呟きながら、家から出ていく彼女を見送った。
「……お兄ちゃんの言う通りの人だったね」
由衣がクスクス笑いながら言った。
「本当にな。マジで中身が残念だよ」
俺もそう言いながら笑う他なかった。
感想などいただければ非常に嬉しいです。よろしくお願いします。