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変態とツッコミとボッチと残念リア充の部活動

お久しぶりの第4話です。

 俺がよく分からない演劇部に入部した次の週の月曜日、俺は昼休みに化粧臭い女どもに囲まれて飯を食っていた。

「ねぇ、柊。話、聞いてる?」

 俺が心の中で毒づいていると、この北浜ハーレム(周囲からはそう言われていると京太郎が教えてくれた)のリーダーである、宮崎朱里が不満げな顔で聞いてきた。

 俺はすぐさま営業スマイルで答える。こうしとけば、だいたいの女子の機嫌はよくなるものだ。

「ああ、ごめん。ちょっと考え事しててね。それでどうしたんだ?」

「明日、カラオケ、みんなで行かないって話してたの」

 そう答えたのは、同じく北浜ハーレムのメンバーである、山崎晴海である。特徴? 一言でいうなら、ケバい。宮崎にも言えることだが、顔自体はそこそこいいのに、化粧しまくってるからか、すべて台無しになっているような気がする。まあ、二人だけに関わらず、あとの二人のメンバーもそうではあるが。

「すまん、ちょっと行くところがあるから、明日は参加できない。悪かったな」

「何? バイト?」

 と聞いてきたのは、同じくメンバーの嶺井千佳である。

「まあ、そんなところだ。だから、これからしばらく忙しくなると思う。ごめんな」

「どうする、朱里? 私たちだけで行く?」

 そう宮崎に聞くのは、伊藤雲雀である。よし、これでようやく全員か。

「うーん、でも、柊がいないのに、私たちだけ楽しむっていうのもねぇ」

 宮崎は難しそうな表情を浮かべた。なんだかんだ、俺のことを気にしてくれているのは、少しポイント高い。まあ、彼女たちがいくらポイント貯めたところで、俺にとってはステータス求めて近づこうと考えている時点で、意味がないだけどな。

 とりあえず、ここは適当なこと言って誤魔化しておくか。放課後何をやっているのかこいつらに探られても面倒臭い。まあ、何か分かるとは思えないが。こいつらバカだし。

「俺のことは気にしないで、いいよ。四人が楽しんでくれれば嬉しいからさ」

 俺は渾身の営業スマイルを四人に向ける。この色恋沙汰にしか、目がないバカどもはこうすればすぐに言うことを聞いてくれるが、こっちはアホらしくなる。何が悲しくて、興味の欠片もない女どもに笑顔を向けなくてはならないのか。

 俺が心の中でため息をついている今もワイワイ騒いでる。うるさいんだよ。静かに勉強や読書してるやつもいんだろうが。この数分で、俺の偏差値が3ぐらい下がった気がしてならない。







 そうして、ようやく放課後になった。俺は教師に呼ばれていると偽って、演劇部に向かった。

「お疲れ様、柊。毎回思うけど、よくやるねぇ」

 そう隣から話しかけてきたのは、京太郎である。俺は小さく笑う。

「本当だよ。アホとつるまないで済む演劇部があることがせめてもの救いだよ」

「入部初日に入部届けではなく、婚姻届けを手渡してくるような人が部長の部活が柊のオアシスだなんて、本当に歪んでいるよ」

「演劇部の二人は頭はいいからな。俺は嫌いじゃない」

「そうか。それじゃ、入ろうか」

 俺と京太郎は演劇部のドアを開いた。

「よう」

 俺と京太郎は声をかける。

「お帰りなさいませ。ご主人様。ごはんになさいますか? お風呂になさいますか? それとも、わ、た、し?」

 前言撤回。こいつ、部長の今永早希はアホだった。しかも、北浜ハーレムのメンバーとは別ベクトルの。俺があきれて眺めていると、同じ演劇部の部員の平良比奈が彼女の頭を叩いた。

「やめなさい。ここにはお風呂も晩ごはんもないでしょ! そして、柊くんを誘惑しないっ!」

「ありがとうな、比奈」

「ふぇ? どうしたの?」

 どこからツッコミを入れればいいか分からない俺の代わりにツッコミを入れてくれたことに関して礼を言ったところ、平良は驚いてあたふたしている。ナニコレ、かわいい。

「で、この部活は何をする部活なんだ?」

 今永に聞いたところでろくな答えが返ってこないと思ったので、京太郎に聞く。

「いやー、俺も正直、分からないんだよね。今永さんに突然、連れてこられた部活だからね」

「この部活は柊くんと私の愛を育むためにある部活なのよ!!」

「ちがーう! 演劇部って言ってるでしょ!」

 突如、叫んだ今永に平良がツッコミを入れる。漫才師でもないのに、このペースでツッコミを入れているとめちゃくちゃ疲れるんじゃないだろうか。

「んで、この部活は何をする部活なんだ?」

 仕切り直した俺の疑問には平良が答えた。

「えーと、演劇をする部活なんだけど、絶望的に人数が足りてないよねぇ。どうしよっか?」

 部活の方針すら、決められていないのか。もはや、演劇部と言っていいのかこの部活。

「だったら、地道に部員集めだけど……。面倒臭いな」

 そう答えたのは、京太郎。それに賛成したのは、今永だった。

「私もそれには反対ね」

「どうして?」

「だって、これ以上人が増えたら、私と柊くんがイチャイチャした後に、セ◯クスまで踏み込むことができなくなるじゃない!」

「「そんな道に踏み込もうとするな!」」

 俺と平良の声が重なった。というか、この描写ってセーフなのか……。一応R15のタグはつけてはいるが。あ、すいません、メタいですね。ごめんなさい。

「じゃ、私たちで何か作る?」

 再び、仕切り直した平良が言う。今永が下ネタ言う度に仕切り直さなくてはならないのか。面倒臭い。

「何かって何? 子ども?」

 と今永。もう、突っ込まないぞ、これには。

「違うわよ。不純異性交遊から離れなさい。ほら、DVD とかどう? ドキュメンタリーとか楽しそうだけど」

 それに答えたのは、京太郎だ。

「いいんじゃないかな。面白そうだしな。どうだい、二人とも」

 今永は頷いた。

「うん、最高。私と柊くんの愛の結晶を作るんでしょ?」

「それは作らねぇよ。子どもは作らねぇし、そんなドキュメンタリー誰得なんだよ。まあ、とりあえず、これでいいんじゃないか?」

 そうして、俺たち演劇部の最初の活動はドキュメンタリー作成ということになった。




 

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