インクカートリッジ取り替え真っ最中
万年筆「人間ってのはペンがなければ、字すら書けないんだな」
「まあな」
万年筆「今まで意思疎通はどうやっていたんだ?」
「会話があるだろ」
万年筆「それもそうだな。じゃあ勉強はどうやってたんだよ?」
「好奇心旺盛なんだな。それはあれだ、人に聞いたりするんじゃないのか。」
万年筆「うやむやだなあ。」
字が書けないってことは本もなかったわけだ、、、
「そうだな。言われてみればそうかも。」
万年筆「まあ感謝してくれ」
「どうも」
万年筆「にしてもこのご時世に万年筆を使うなんて、珍しいじゃないか。」
「デザイナーなもんでね。いろんなペンで絵を描くわけだ。」
万年筆「なるほど。字を書く以外にも使い道があったんだな」
「ああ。感謝してくれ」
万年筆「そうだな。地球上の万年筆の使用率が1%ふえたよ。」
「万年筆の救世主ってわけだ」
万年筆「ああ。神様仏様ってことだ。」
「、、、ああ」
万年筆「最後までちゃんと使ってくれよ。インク取り替え式だから、
何度でも使えるぞ」
「もちろん。すり減るまで使うつもりだよ」
万年筆「ありがたいね。これで退屈せずに暮らせそうだ」
「よかったな」
万年筆「ああ、何よりだ、、、」
たまには顔見せてくれよ。
そう言って彼は眠りについた。