表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

百合の花

放課後の戯れ

作者: 夜桜てる

 夕焼けの赤い光が僅かに照らす、下駄箱の並んだ昇降口。隙間風が冷たく吹き込む閑散としたそこには、制服姿をした2人の学生の姿があった。

 壁際で赤い光に照らされた明るい短髪の女子と、その子の肩をぎゅっと掴んだままじーっとその顔を見つめている、長い黒髪をした少し背の低い、小柄な女の子。


 就業の刻はとうに過ぎ、運動部の騒がしい声が遠くに聞こえる。

 そんな昇降口に、熱を帯びた声が小さく響いた。


「……ね、誰もいないよ?」


 そう声を出したのは黒髪の少女。前髪で目が覆われているが、隙間から見えるまあるい二重はとろんと蕩けていた。


「……ほんとに、ここでするの?」

「今さら、だよ。大丈夫、私は見られても恥ずかしくないから」


 明るい髪の子の、少し怯えるような疑問の声に対して、当たり前のように肯定を返す。そして肩を掴んでいた手を離し、首から顔へとなぞるように撫でた。


 すると身体をビクリと震わせ、短く声にならない声を上げた。


「……ミウって、感じやすいよね」


 そう言いながら、白く滑らかな、細い指先で頰を撫でる。

 触れた頰に被さる長く伸びたもみあげを横に流すと、明るい色に隠されていた、仄かに朱く色付いた頬が露わになった。


「うぅ……やっぱり恥ずかしいよぉ…………」

「……だめ?」

「だめじゃ、ない、けど…………」


 そう言いながら、ミウと呼ばれた明るい髪のその子は目線をズラし、少し俯いた。

 黒髪の子はそれを見てふっと柔らかく微笑み、少し背伸びをして口を耳元まで持っていくと。


「ねぇ……ミウ、大好き」


 熱を帯びた声でとても小さく囁き、鼓膜を震わせる。

 そしてそのまま、濡れた舌を這わせた。


「っ……‼︎」


 先ほどよりも大きく、ビクリと身体が跳ねた。


「ミウの弱いところ、私、もっと知りたいな……」


 ピチャピチャと艶かしい音を立て、舌はそのままミウの耳を蹂躙する。柔らかなそれがツーっと動くと、それに合わせてピクピクとミウの身体が反応する。


「……もう、やぁ、やめっ……んんっ‼︎」


 ミウの顔は既に蕩け、膝も震えていた。


「ダメじゃ、ないんでしょ?」


「家に、帰ってから……」


「だめ。もう少しだけ…………良い、よね?」


「…………少し、だけだからね」



 ――外では変わらず、運動部の声が響いている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] えろい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ