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彼のメール
陽菜。
元気だったか?
俺はこのメールを最後に、アドレスを変えるつもりだ。
そしてケータイから陽菜の番号とアドレスを削除するよ。
だから、俺からのメールはこれで最後だ。
いや、むしろ陽菜がすでにアドレスを変えていてこのメールでさえも届かないことを祈る。
もう陽菜のケータイからも陽菜自身からも俺の存在が消えていたら、それは寂しいが安心だ。
きっと優しくて少し弱い君はずっと同じアドレスを使っているのだろう。
俺が陽菜に連絡を取りたくなった時に困らないようにずっと同じ番号、アドレスでいてくれたのだろう。
いつ来るかわからない俺からの連絡を受け入れる用意はしていてくれたのだろう。
俺もいつかまた陽菜とやり直す日が来るんじゃないかと思って陽菜のアドレスをどうしても今日まで消去できなかったよ。
やっぱり俺達は似すぎていたんだね。
人づてに君が結婚すると聞いたよ。
幸せに、なれ。
章吾