鯨(げい)ムーン
一文書いて
僕は判断する
この言葉が
ココにある理由を
上下左右
見渡している
リズムか
音か
洒落か
いずれかの理由を
ねじ込んでは
突貫工事
掻きむしった頭に
砂時計の砂
書き出せない心が
ゴミ箱に捨てられる
溺れては踠いて
飲み込まれていく
気づけば鯨の腹の中
暗いだけの空間に
ぽかりと空いた
丸い穴
欲しかった穴
月の光
心情が轟いて
筆を動かしても
DVDを
8倍速で見てるみたいに
頭の中の映像に
置いてきぼりされる
歩くか
辞めるか
捨てるか
いずれかの理由を
はめ込んでは
ジグソーパズル
溜め息の隙間に
頼る安定煙
歪な言葉の羅列が
真空パックされていく
爛れては疼いて
嵌められていく形
気づけば鯨の腹の中
溶けるだけの空間に
ぽかりと見つけた
丸い穴
過ぎ去った穴
月の凹み
コアが一つの
言語出力処理スピード
コマ送りにする映像
無理やり合わせた
二人三脚
剥いでは剥いで
新しくなる皮の意味
気づけば鯨の腹の中
無くなるだけの空間に
ぽかりと拾った
丸い穴
存在する穴
月の裏