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特効薬〜You are my only one〜

作者: 蒼井 ひな

プルルルル……

私は来宮くんの声が聞きたくて電話した。

とても不安で、寂しくて・・・気持ちも不安定で。

来宮くんの声を聞いたら、少しはマシになる気がした。


「はい、もしもし。」

「あっ!みやこです。今大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫。こんばんは!」

「こ、こんばんは!あの・・・」

「ん?どうしたの?話しあって電話したんだろ?」


(それもそうだけど・・・声が聞きたくて)


「うん。それと声も聞きたくて・・・」

「なにそれ。かわいいこと言ってくれるね」

「またそうやって〜・・・からかわないでください〜」

「はいはい、それで?どうしたの?」

「あの・・・仕事のことで悩みがあって」

「仕事の事・・・長くなりそうだな。今から家に行っていい?」


私はびっくりした。まさか来宮くんからそんなお誘いがあるなんて思ってなかったから。


「はい、大丈夫です!」

「じゃあ・・・支度して行くから少し待っててね」

「はい、わかりました。気をつけて来てください」

「あぁ、じゃあまた」


私は電話を切り、片付けや掃除を済ませた。


(ん〜、コレがいいかなぁ?あ、でもコレはこの間着ていった服だ・・・)

みやこは、必死に着る服を選んでいた。


そうこうしてる間に時間は過ぎていった。

「あ、やだ!こんな時間!そろそろ来るかな?」

来宮くんが来てくれることが、とても待ち遠しかった。そして、ドキドキもした。

だって・・・来宮くんと家で2人きりは初めてだから。


ピーンポーン……

チャイムが鳴った。


(きたきたきたー!あぁ、ドキドキする〜)


「はぁ〜い!」

私は階段を駆け下りて玄関へ向かう。

ドアを開けると、そこには来宮がいた。


「どうぞ、入ってください」

「はい、おじゃまします」

私は来宮くんを部屋に案内した。

「適当に座っててください!何か飲み物持ってきます」

そう言い、行こうとすると、来宮に腕を強く掴まれた。

「い・・・たい・・・来宮くん・・・?あの・・・」

「飲み物なんて後でいい。みやこは男を部屋に入れた。それがどういう事かわかってる?」

来宮はそう言うと、みやこの唇にキスをした。

「・・・ちょ・・・や・・・」

私はびっくりして、来宮くんの身体を両手で押し退けた。

「あの・・・!っ今日は・・・話を聞いて・・・欲しいで・・・す!」

キスの余韻が残るのか、みやこは顔を赤くして言った。

「顔、赤いよ?大丈夫?・・・かわいいね」

「からかわないで・・・くださいっ!」

「本当はドキドキしたんだろ?素直になれよ」

「はい・・・そうです、ドキドキしました。だって!・・・仕事の時とは全然違うから・・・」

「ん?仕事の時?・・・あぁ、そういや俺は"ドS鬼上司"ってよばれてるんだったな?み・や・こ!!」

来宮は人差し指を突き出し、みやこの額を強く突いた。

「ご、ごめんなさいっ!その話は・・・また今度。お願いしますっ!少し話を聞いてくださいっ」

「あぁ、そうだったな。ごめんごめん。それで、話って?仕事の悩みって言ってたね」

私は仕事の悩みを来宮くんに全部話した。

「なるほど・・・そうだったのか。でも、大丈夫だ。安心しろ」

来宮はそう言うとみやこを抱きしめる。

みやこは顔を赤くして恥ずかしそうにする。

「俺がそばにいるから、大丈夫だ・・・」

そう、耳元で囁くと来宮は優しくみやこの頭をなでた。

みやこは来宮の優しい言葉で一気に気持ちが介抱された。

この瞬間がとても心地よくて、ずっとこのままがいいと願った。

「あの・・・もう少しこうしていたいですっ」

来宮はみやこのかわいいお願いに

「今日は甘えんぼさんか?いいよ、このままでも。でも・・・理性効かなくなってしまった時はごめんな」

そう言うと、来宮は抱きしめたまま、みやこの頭を撫でて甘酸っぱい時間を過ごした。


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