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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第四部
96/102

爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その44

 


 さあもうひと押しだ。魔法を二つ同時に使用できるというアドバンテージはかなり強烈だぞ。

 先に出の速い魔法を撃てば発射に時間のかかる魔法の隙を打ち消す事も出来るし、別々に離れた対象も同時に攻撃できる。応用できる道がたくさん見えてきた。あたしの時代始まったな!!

 新たな可能性にウキウキしてばかりではいられない。相手はもともと強力なモンスターなだけでなく窮鼠猫を噛むとも言うし、決して見くびらずに最後まで対処しよう。


 気を引き締め直して相手に向き合った時異変に気が付いた。

 明らかにバルバロファングの動きが鈍くなってきている。しかもそれがだんだんと群れ全体に広がっていってる。

 これはチャンス! この隙を突くしかない!


シル【団ちょ】

ラド【かかれ!】


 あたしが声をかけるよりも早く、専守防衛に当たっていた騎士さん達が仕掛けた。統率の取れたレベルの高い兵士が一気に襲いかかる。

 うおおお、あたしが何か言うまでもなかった……。だよね、彼らもプロだもんね。念のために彼らの背中に向かってマイティアを重ねがけして、キュアールもおまけしておいた。

 開戦時劣勢だった鬱憤を晴らすかのように、群れを分断してどんどん攻めていく。

 あたしの攻撃でダメージを負い、さらに動きの鈍ったバルバロファング達は徐々に劣勢を強いられ、一体ずつ確実に追い詰められていく。こうして見てみると騎士団ってものすごい戦力だ。並みのモンスターでは歯が立たないだろう。そうなると万全のバルバロファングは本当に化け物だ。

 後ろのは完全にお任せして、あたしはこのまま一気に目の前のヤツらに畳みかける!


 早速さっき感覚をつかんだ連続魔法で広範囲に向けて絶え間なく攻撃する。地形が変わっちゃう事も辞さずに絨毯爆撃だ。火系、氷系、土系、風系、雷系、光系なんでもござれ。闇系はMP消費激しいしダメージよりステータス異常誘発系のトリッキーな魔法が多いから今回は敬遠。

 あたしの目の前には久しぶりに多種多彩な魔法が暴れ狂ってる。これやるとチムメンからすごい怒られるから自粛してたけど、やっぱりスカッとするね! 天変地異ってこういうのを言うんだろうな。

 だけど動きが鈍くなったとは言え自由に逃げ回れるバルバロファングにはまともに命中しておらず、衝撃波や爆風による二次ダメージしか与えられていないようだ。戦闘不能になる個体はまだ少ない。ちっ しぶといな。


 突然あたりに遠吠えが大きく響き渡った。

 聞こえてきた方には片腕のバルバロファングがいる。あたしを掴んでヒースに斬られたヤツだ。

 改めて見比べてみれば他の個体よりも体つきが大きいか?


 その咆哮を合図に、生き残っている狼男達が片腕狼の周りに集まった。

 もしかしてアレが群れの長アルファ? よし! あんな目印があるんだからもう見逃す事はないぞ!

 あたしからかなり距離を取って集まったバルバロファングが全員こっちを見て唸り声を立てている。大分警戒しているようだ。だけど逃げるような素振りは一切見せない。ほとんどの魔法の射程距離外だし、あたしも一旦攻撃を止めてダブルMPチャージを出してチューってした。これもマジ苦い、ちくしょう。

 何頭か倒してるけどレベルアップしてない。あたしのMP回復は睡眠かレベルアップかMPチャージ頼み。さっきの乱発で大分MP使ってるから念を入れておかないといけない。こんな大盤振る舞いまず無いぞ。バルバロファングめ、ありがたく思いなさいよ。


 睨み合ってたバルバロファングに動きが出た。全員が前傾姿勢になって脇を閉めるように両腕を挙げる。アルファが短く号令を発すると一斉に地面を叩いた。

 ゴゴッと鈍い音がすると狼男の群れの地面が盛り上がっていく。何だ何だ?


ラド【全員退避!何かに身を隠せ!】


 団長さんが声を張った直後に大きな変化が起きた。

 うわ! マジでか!

 山津波?!! こんなもんに飲み込まれたら誰一人助からない!

 木々が根こそぎなぎ倒されて、隠れられる物なんて何もない!


 とっさに土砂崩れの迫る、目の前の山肌に向かってグランキャノンを撃つ。さらにグランキャノンが放出されてる間にチャージしたフレアボムを同じところにぶっ込んだ。

 猛烈な大爆発とともに山肌が消し飛ぶ。爆風に飛ばされそうになるあたしをヒースが抱き止めて守ってくれた。その直後あたし達の脇を轟音とともに土石流が流れ落ちていく。

 崩れる物が無くなり、正面から迫り来る山津波をキャンセル成功! あたしの後ろの負傷して動けない騎士さん達も無事。あたしも心臓バクバク言ってる。上手くいって良かった!

 爆炎が晴れ、秘奥義の合体魔法を粉砕された事を知ったバルバロファング達も驚きを隠せていない。さあ、尻尾を巻いて逃げるなら今のうちだぞ!


 だけどここで逃がしてなるものか! もし逃がしてあたし達から分からない所で今の地滑りを起こされたら対処が間に合わない。このモンスターの危険度はあたしが想像してたよりもずっと高い。

 だけどこの距離。旦那タイガーを倒したライボルトみたいなロックオンする雷系は撃ったら必ず命中するけど、これほどの長距離射程じゃない。やっぱりここは直線上一掃可能で射程距離最長の一撃、信頼のチャージ・グランキャノンしかない!

 マインドカンストならZF(※1)の隕石も粉砕する威力。これで一気に幕を引く!

 睨み合いの続いているこの隙にチャージを続ける。あたしの周りに光の粒子がどんどん集まっていくのに気付いたアルファ・バルバロファングが散るように指示するよりも早く、チャージ終了と同時に撃ち込んだ。

 レベルキャップ前からすでに規格外のマインドで撃たれた魔法エネルギーが全部を破壊しながら目の前のあらゆるものを飲み込んでいく。

 閃光が治まり残響が静まりかえると、目の前にはあたしの魔法が通った道筋だけがきれいに残っていた。


 体の周りにまた光の粒が舞う。経験値が入ってレベルアップした演出だ。つまり戦闘が決着した証拠。

 光に包まれたのは合計六回、レベルが135になった。ここに来て一気に上がった。ブーストモンスターで高ランクなうえに群れだったから経験値が猛烈だ。レベルキャップまであと15!





~久々に出た単語注釈 -覚えていてくださった方、一生ついて行きます編-~


※1:ZF・・・ゼローム・ファガス。シルフィーさんが熱中している”PFOU NX”のラスボスで超デカい。極悪難易度で、誘導ミサイルや無差別爆撃、張り手やブレードチョップ、果ては隕石落としなど多彩な攻撃をしてくる。回避だけでなく攻撃の相殺やキャンセルタイミングをちょっとミスるとレベルキャップしてても瞬時にほぼ全滅クラスの攻撃を誇る。シルフィーさんはこれを単独でノーダメ撃破を成し遂げた。狂ってんのか


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