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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第四部
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爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その40

 



 オルギ山岳地帯って、雪山かよ……っ!

 王国王都からもかなり離れていて、通過地点だったリッケンベートの方に近い。


 あたしに要請を出した王国の騎士団の人達と一緒に進んでいる。出発前に山岳地帯は王国よりもずっと寒いと忠告されていたけど、目的地に近付くにつれて気温はどんどん低くなっていった。遠くに見えてる山は冠雪している。

 あー…… 馬車の中の暖用に火鉢みたいなの買っておくべきだったなー……


ヒー【服と帽子がこんなとこでも役に立ったね】

シル【そのつもりじゃなかったんだけども・・・】


 でっかい三角帽子を深く被って、フォルモルニットの袖を伸ばして中に手を収納。ニットは見た目通りだけど、この帽子も通気性いいわりに保温性が高くて意外といい働きをしてる。

 今はこれでも大丈夫だけど、あの雪山の中は厳しそう。


 バルバロファングが縄張りにしている地域に最も近い人里まであと半日くらいの距離で日が暮れてしまった。

 今日はここでキャンプ。昨日まではまだ耐えられたけど、ここまで来るとさすがに寒さが厳しくてたまらない。ヒースはまだ平気みたい。だけどあたしは無理。

 準備不足の恥を忍んで騎士団一行に泣きついて、防寒具や暖をとる道具を貸してもらった。


シル【何でヒース寒くないの?鎧絶対冷たいでしょ】

ヒー【冬用の下地を付けてるからね。年中各地を旅をする剣士の必需品だよ】

シル【へぇー。さすがだね・・・あ!何で一人対策してるの!教えてよ!】

ヒー【ご、ごめん!冬用の準備して旅してるとばっかり!】


 忘れてたと言うか、これまでのPFOU NXの世界では寒さを感じても大したことないから想像もしなかった。雪原ステージでもビキニやふんどしで活動してるヌーディストプレイヤーがいるくらいなんだもん。

 やっぱりルファラは地球じゃない別世界の現実。

 でもものすごい再現度だし、もう訳がわからない。

 何? いわゆるゲームの世界にトリップってヤツなのか?

 アニメにもなってたみたいだし、テラドール(チムメンの一人)もよく「虹(※1)に行きてー!」って喚いてた。ヘンなクスリでもキめてれば良いニャ、とはミケの談。マサとアグはノータッチ。

 そのせいかありえないと分かってるけどふっとアタマに浮かんできたし、この非常識な毎日を送ってきたからすんなり入ってくる。

 でも、あの教会跡地で見たあたしの通った高校の制服やプリクラ帳は……?


 思い出すと不安が大きくなるけど、ヒースといられるのはこのルファラに来たからなんだから、まぁいいか。

 とりあえず周りは木々が生い茂ってるので、夜のために薪にする枝木を探して回った、

 うう、日が陰ってるから寒さが増してくるよ……。

 フォルモルニットの袖から指先だけをちょっと出して、いい具合に枯れた枝を集めて小脇に抱えていく。


 うん? 向こうで青い半透明の球体がぽよんぽよんしてる。

 なんだ? 緊急ミッション?

 突然森の中に現れたインフォメーションジェムにちょっと警戒しながら近づいてタッチする。


――一部補助魔法の特殊効果変更について――


 お? 何だろう。仕様変更の知らせなんて初めてだ。そう言えば防御魔法はたまに使ったけど、補助魔法は使ってなかったな。クリスタルドラゴンの時は補助に手を回す余裕はなかったし、ブースト・グレートホーンもヒースの剣は折れちゃったけど攻撃が通じたし。ここまでも甚大な攻撃を受ける心配も無く来れたし。

 でも万が一があるから、今後の用途の増える変更だったらうれしいな。


――これまでの補助魔法は攻撃力や防御力と言ったステータスの強化ができましたが、特別ステージのルファラでは補正がかかり、弱体化しています――


 え! 何それ! せめて防御だけは!! 紙防御だから上昇させても焼け石に水かもしれないけど!!

 何この改悪ー!!


――しかしそれぞれの魔法の属性効果が付加され、環境への適応ができるようになっています――


 ん? 環境への適応?


――例えば従来の防御力上昇魔法”ディフォール(水属性)”は防御力の上昇はわずかですが、水、冷気の加護により周囲の熱波を防ぎます。攻撃力上昇魔法の”マティア(火属性)”は攻撃力の上昇は少しですが、炎の加護により寒波をしりぞけます――


 お? お? 自分にかければ寒くなくなるって事?


――攻撃力低下魔法の”ナーダ(火属性)”は少し攻撃力を低下させ、敵モンスターに熱気をまとわせます。暑さに弱いモンスターは活動力も低下しますが、逆に熱を好むモンスターは活性化するので注意が必要です――


 おおお?! テクニカルだけどかなり面白くない?!


――このように上手く属性を利用し、あなたが一番ポテンシャルを発揮でき、モンスターには苦手とするコンディションを作りましょう!――


 オッケー! まず使ってみよう! マティア!

 あたしの体の周りを火の粉が舞う。舞っていた火の粉が渦巻いてあたしの全身にまとわりつくと、さっきまでの寒さがウソのようにぽかぽかとしてきた。しかもニット着てても暑すぎない!


 うおおおお!!! これチョー助かる!!!

 あたしの攻撃力はおまけみたいなもんだから、攻撃力上昇が微々たる物でも全然構いません!

 改悪かと思ったけど、すごく有用!! 運営さんナイス判断!!


 ……運営?

 そう言えば要所要所であたしにインフォメーションジェム使って通知してくる”運営”って何者なんだ?




 


 現在不定期更新中です。ご迷惑おかけしております・・・


~念のための注釈~


※1:虹・・・「二次元」のネットスラング。類した物に「惨事」がある(こちらは「三次元」)。

 それにしても両者とも言い得て妙。リアルは惨事に満ち溢れ、そして虹の橋を渡ればそこは桃源郷かもしれぬ。

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