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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第四部
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爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その28

 


 今はリッケンベートって言う廃墟の町に向かっている。

 以前は大きな教会があったり、ハンターの組合ギルドがあったりして栄えた街だったそうだけど、邪眼王が現れた頃、大量のモンスターに襲われて滅ぼされてしまったらしい。

 だけど一応まだ細々と暮らしている人がいるそうだ。

 マップで見ると、途中にある”ワツヒの森”と言う所を越えた先にある。


 特にここに用事があるわけじゃない。この街道をずっと進んだ先にこの大陸を治める王国とルファラ教の総本山があって、ヒースの次の目的地がそこ。リッケンベートはその中継地点だ。

 あたしにはまだ目的なんてないから(しいて言うならレベル上げするくらい)、お付き合いしてる。


……付き合ってない! そっちじゃない!

 わーん! まだ恥ずかしいよ!

 何で急にあんな事したんだろー!


 思い出すたびに顔が赤くなる。こんな風だっけ、こんな風だったっけ?

 あーもう、遥か昔の記憶だから覚えてないいいいい!


ヒー【シルフィー?どうしたの、酔った?】

シル【い、いや違います。気にしないでください】


 ヒースの壁が薄くなったのを感じるけど、それがあたしのメンタルにダメージ!

 マインドは大分高くなりましたけど、メンタルには関係ないらしい。


ヒー【大分近づいてきたよ。ワツヒの森だ。昼前には入れそうだね】


 ヒースが手持ちの地図を開いて双眼鏡をのぞいて、方位磁石と太陽の傾きを見て言った。

 あたしのマップには”馬車であと一時間”って出てるからまず間違いない。

 すごく便利な機能なんだけど、これが無いヒースはずっとこうやって旅をしてきたんだね。便利に慣れちゃったあたしには、このマップよりもヒースの方がずっとすごいと思える。

……苦労してきてる分、彼そのものに頼もしさがある。


 あの一件以来ずっと恥ずかしさが先行してるけど、素直になろう。

 ヒースの事が気になってる。好きかどうかって聞かれたら、好き。それでいいじゃない。

 そうやって気持ちに整理を付けたら、なんか楽になった。初恋の時とかもこんな風だったっけ。覚えてないなぁ……。


 ぽくぽく、ガラガラとしばらく馬車を走らせた。広い森の、木々がはっきりと見えてきた。

 ワツヒの森の手前に見覚えのあるiの字がポヨンポヨンと一定間隔で跳ねている。

 なんだろ、緊急イベントかな? でも前もって進路上に出てるって事はこの森の中の注意事項かもしれない。

 馬車からぴょんと飛び降り、iの字に触って展開させた。


――邪眼王の力を受け、通常の魔物、魔族よりもステータスが上昇しているモンスターが存在します。これをブーストモンスターと言います。――


 ふむ。ここでこの説明をするって事は、この森に生息してるのかな。


――ブーストモンスターは邪眼王の遺志を継ぎ、人類を憎んでいます。特に武装していたり神を信仰する者達に対する攻撃性が極めて高く、いくつもの都市、教会が滅ぼされてしまいました。――


 ふむふむ。って事はこの先の街を滅ぼしたのもこのブーストモンスターなんだろう。

 まだ人が住んでいると言う話だし、このままのさばらせておくのは危険だな。


――ブーストモンスターはとても強力ですが、その分獲得経験値が非常に高くなっています。積極的に倒しましょう。――


 お、最近レベルが上がりにくくなってるからこれは活用しないといけないな。

 道中のモンスターエンカウントも少なくて、フミトを離れてからレベルは119から上がらないまま。ここいらで上げておきたいな。クリスタルドラゴン級なのが出てきても苦戦しないように。


――またあなたの他にこの星のハンター達も積極的にブーストモンスターの討伐をしています。ブーストモンスターの数には限りがありますので注意してください。――


 取り合いになるって事だね。効率よくレベルアップするには出来るだけ早く、たくさん倒さないといけないな。よーし、がんばろ!


――まずはこの森の中に生息するブーストモンスターの群れを駆逐しましょう――


 ここまでのインフォメーションが出た後、iの字はシュンっと地面の中に消えてしまった。

 停車させた馬車から降りて、ヒースがあたしの隣にやって来た。


ヒー【シルフィー?急にどうしたの?】

シル【えーっと・・・うーん、お告げがあったって言うか・・・】

ヒー【お告げ?シルフィーって故郷では神職だった、とか?】

シル【いや、そう言うのじゃないんだけど、何て言うんだろう・・・天の声?】


 悩んでいるとまた足元から半透明の水色の球体が出てきた。

 ヒースにはやっぱり見えてないようだ。

 ホントあたしだけに見えるこれの存在って何なんだ?

 さりげなくタッチ。


――トラップの説明――


 ぬ。ルファラに来てここまで無かったギミックだ。忘れる所だった。


――この森の中にはいくつもトラップが仕掛けられています。魔力を使わない原始的なものが多いため、魔力の気配で察知する事はとても難しいです。――


 ふむー。ゴーレムが要るなぁ。

 トラップはアイテム”トラップサーチ”を使うか、ゴーレムの特殊能力で発見して壊していく仕様だったからね。ゴーレムはホント守備能力高い種族だったなぁ。


――そこで、特殊魔法”トラヴィジョン”を使って可視化してください。トラヴィジョンを使用中は他の魔法が使えません。――


 あ、なんだ。ゴーレムじゃなくても対応できるのか。

 でも使用中におそわれたらアウトって事? こ、これってヒースが居なかったらすごく大変じゃん!

 パーティー組んでよかったー。

 そもそもトラヴィジョンなんて魔法、これまで無かったぞ? そう言えば道具屋ではトラップサーチみたいなアイテム売ってなかった。ルファラではこの魔法があるからかな。


――まずは発動してみましょう。――


 オッケー。あ、そうだ。ヒースにあらかじめお願いしておかなくちゃ。

 だけどさっきも”お告げ”とか言って不審がられちゃったからなぁ。言葉は選んで使わないとね。


シル【この森、何か不穏な感じがあるから気を付けようね。罠とか仕掛けられてるかもしれないから、あたし発見する魔法を使いながら行くね。使ってる間は無防備だから、援護お願いね】

ヒー【う、うん。え?魔法で・・・?】


 目の前で両手を合わせて、目をつむって精神を集中する。

 目を開けるのに続いて両腕を大きく横に開いて、魔法名を唱える。トラヴィジョン!


 あたしの前に光で囲まれた枠みたいなのが現れて、バイザーみたいに変化して目の前に固定された。

 おおー。なんか視界全体をスキャンしてますって臨場感たっぷり!

 さらにあたしの視界の右端に固定されてるマップが拡大されて、スキャンしている範囲が赤く表示されている。おお、超分かりやすい。ゴーレムプレイヤーもこんな風に見えてるのかな。


ヒー【それって神聖魔法の一種・・・。シルフィー、君って何者なんだ?本当は神様の遣いだったりするの・・・?】


 ヒースが呆気にとられて聞いてくる。

 神聖魔法? ルファラ独自の魔法の事? 何だか物々しいな。

 使えてるけど、これが一体どんなジャンルの物なのかあたしだって分からない。

 不思議な力で色んな事が出来るのが魔法。理屈は後から着いてくる物。

 それで良いじゃないか!


 それにしても神様……ねぇ。こんな不信心者が神の遣いって、それはないでしょう!



 


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