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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第四部
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爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その27

 

シル【へー。その先生も大変だったんだねぇ。ヒースも世界が一変しちゃった中で生きてきたんだからすごいよ】


 フミトの町を出発して、二人で焚き火を囲んで雑談しながらご飯を食べている。

 一人旅じゃなくなったから、水、食料の消費量が倍以上に。気を付けないといけない。


ヒー【シルフィー、さんはどこで魔法を修業したんですか?】

シル【修業っていうかー、常に実戦?】

ヒー【師匠のような存在は?】

シル【そんな人ないない。あたし達は大体みんなそうだよ】

ヒー【え・・・っ どこの国で暮らして・・・?】

シル【えっと・・・あーそっか、そうだった。ルファラじゃないんだ。別の星。】

ヒー【ど、どう言う・・・事ですか?】


 ルファラはPFOU NXでも他の四惑星と違う時空に在るんだっけ。

 当然交流が無い独立した惑星だから、違いがいっぱいあって然るべき。でもなんて言ったら良いんだろう。うーん。


 あたしに起きている事態はもう完全にあたしの理解を超えている。

 これまでこの世界は行き過ぎたVRゲームの世界だと信じてきたけど、それぞれのキャラの行動や発言を見ていると人工知能(AI)制御をされているとは考えられない。

 もしこれが全部プログラムによるものだとしたら、メーカーさんの技術は地球の中でも抜きん出過ぎて世界に革命を起こせるレベルだ。

 他にもプログラムの世界である事を否定する要素はたくさんある。

 五感はすべて再現されていたり、生理現象がしっかりとあったり、血も流せば鼓動もあり、呼吸だってしている。

 さらにはクリスタルドラゴンの亡骸が徐々に傷んでいく様子も見てきた。これが決定的だった。


 ここまでプログラムで再現出来るようになったと言うなら、ゲームに生かす前に様々なシュミレーターが開発、普及されていてしかるべきだ。

 なんで全部すっ飛ばしてゲームに使おうってするワケ? まあある意味、何をするにも十年早いと言われるあのメーカーさんならやりかねないとは思うけど!


 全部を総合して、あたしは今PFOU NXプレイ中と言うよりPFOUによく似た別世界に居ると結論づけた。

 でもこの事を考えると毎回頭がおかしくなりそうだから、あえて考えないようにしてる。

 

 頭がおかしくなりそうだからこそ、あたしはPFOU NXの延長線でこの世界を捉えるようにしている。

 プログラムの世界ではないけれど、皮肉な事に最も整合性が取れるのがその産物であるゲームの世界だと言う考え。

 アイテムパックはあるし、メニュー開けるし、魔法使えるし、レベルアップするし、インフォメーションジェムも出るし。PFOU NXのシステムがそのまま継承されてる。

 そもそも今のあたしは、あたしが作ったアバターそのものの姿。何なの、いったい。

 もう訳が分からない。

 なのでこう決めて旅することにした。


 あたしは樫原絹じゃなくてシルフィー!

 PFOUで第一線にいた魔法使いのシルフィーだ!


ヒー【あの・・・シルフィー、さん?】

 

 あ! えっと、何だっけヒースの質問。ああそうだ。どこから来たの?だったな。


シル【ルファラじゃない世界でモンスターの親分をやっつけたら、その先にルファラが在った、って言えばいいのかなぁ?】

ヒー【そんな荒唐無稽な・・・】

シル【でも実際そうだしねぇ。あたしは人を騙しきれるウソつけるほど頭回らないよ?ほら、あたしもたくさん話したんだから。ヒースも教えてよ。修行の事とか先生の事とかよりも、ヒース自身の事。ヒースの生まれ故郷とかさ】

ヒー【僕は・・・でも信じてもらえないと思いますから、やっぱり・・・】

シル【何でー!あたしの方がよっぽど信じてもらえてないと思うんだけど?!】

ヒー【ご、ごめんなさい!シルフィーさんの事を信じてないわけじゃなくて!】

シル【またー!”さん”付けしなくて良いって言ってるのに!】

ヒー【ごめんなさい!どうしても抜けなくて!】


 むむむむむっ そんなつもりないんだろうけど、この子なんか壁作ってるように感じるんだよね。良い育てられ方し過ぎたんじゃない?

 もっと親しくなりたいのに、これじゃあいかんともしがたい。

 あ、でも生まれが良くても十二歳の頃からはこんな不安定な情勢の世界を一人で旅をしてるんだっけ。一体どう言ういきさつなのか……。

 知りたいんだけど、ヒースにとってあたしはまだそこまで近しい関係じゃないって事なんだろうな。


ヒー【・・・今は、まだ・・・。でも、必ず教えます。僕の事、信じてくれますか?】

シル【もー・・・。じゃ、ちょっとだけいい?】

ヒー【え?ち、ちょっとシルフィーさん?!】


 うっへっへ。久々の人肌の温もりじゃい! しかも若々しいイケメン!

 奥手でも芯に強さを持っててたくましいヒースに惹かれない事がありましょうか。

 自己アピール忘れない男よりもずっと信用できるもんね!

 後ろから抱きついてうりうりと頭をすり寄せる。


ヒー【あ、あ、あの、その】

シル【”シルフィー”って、さん付けせずに呼べなきゃダメー】


 うっふっふ、困ってる困ってる。

 でも前に一回呼んだの覚えてるよ。戦闘のどさくさに紛れてだったけど、自発的だったよね?

 ほーらほーら。若い男が戸惑っておる姿を見るのも乙なモンじゃのー。


ヒー【じ、じゃあ、こ、これまで通りで・・・】


 えっ?


ヒー【こ、このままで・・・お願いします】

シル【・・・なにそれー。つまんないの】


 ヤバい、あたし年甲斐もなく顔超熱い!

 何今の。すごい不意打ち。お互いただのご褒美じゃん! あたしの方が恥ずかしい(/-\*)!!


 そそくさと離れて幌馬車の中でお休み準備を始める。

 ヒースも背中を向けたまま。

 か、会話なんかできないし!


シル【じゃあ、先休むね。何かあったら教えて】


 一度幌の中から顔出して伝える。

 引っ込んで寝具の中に潜ってからはっとした。

 うわー! 今つっけんどんにし過ぎた!

 気にしてませんよ、のつもりが超意識してる感出しまくり!

 実年齢はあたしの方がずっと上なのに!

 もうダメだあああああああ!


 恥ずかしさのあまり頭がショートしそうで、一人身悶え続けた。



シル【お、おはよ・・・】

ヒー【おはよう、ございます】


 あんま良く寝れなかった。体力ないのに大丈夫か、あたし。

 ヒースはずっと外だったようだ。そりゃ入れんわなぁ。

 あー、もう。あんなことせにゃよかった……。

 ギクシャクした関係がいつまで続くかと思うと早くも気が重い。


ヒー【し、シルフィー。昨日はありがとう・・・】


 ヒースの方から話しかけてきた。止めて! 盛ってただけの記憶を思い出させないでえええええ!


ヒー【他の星から、なんて言いにくい事を打ち明けてくれて・・・。だから、僕も・・・】


 あ、あれ? そっち? 別に何とも思ってなかったけど……。


ヒー【だ、誰にもしたことのない、僕の事を話す決心がついたら、最初にシルフィーに話すよ。だから、待ってて欲しい。必ずするから・・・】


 あたしはただ、うん、としか言えなかった。

……あれ? 今呼び捨てだったよね?

 うれしいんだけど、今はそれが恥ずかしい方が強い!



 うわああああああああ!!







ただいま不定期更新中です。申し訳ありません……

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