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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第四部
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爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その26

 


 町の人達で遠出できる人を集めてもらい、クリスタルドラゴンの素材を回収しに戻った。


 昔っから十数年から数十年に一度のペースで、輝くドラゴンがこの辺を飛んでいるのが目撃されているらしいけれど、それがどこに向かっているのか分かっていなかったとの事だ。他にも大きな何かが”世界の屋根”と言われる山脈の方から飛んで来るのも見られるらしい。

 だけどこんなところでドラゴンと戦闘になったのは初めてとのこと。

 以前からこの山にガルニバウム鉱石を取りに来る人があったけど、ドラゴン自体に遭遇する事もなく、気を付けるのは生息してるモンスターだけで十分だったと言う。

 そもそもドラゴンと言うのは自分の領地を恣意的に侵害してくる場合以外、積極的に人間を襲ったりしないそうだ。ドラゴンと人間なんてその力の差は歴然としてるから相手としないだろうな。

 確かにあのクリスタルドラゴンの力は猛烈だった。

 真正面からではあたしの魔法もヒースの剣もろくにダメージを与えられないとんでもない相手。

 軍隊の出動が必要なランクS以上と言うのも頷ける。


 ヒースが先頭に立って、あたしが殿しんがり。原生モンスターをやっつけながらみんなで岩山を登り、山頂のドラゴンの亡骸の所にやって来た。


 おや? 何かいる。人間よりも小さい何かだ。

 クリスタルドラゴンの亡骸の顔あたりでもぞもぞと動いてる。

 あたし達が近づいてくるのに気付くと、背中の小さな翼を開いてぱたぱたと飛んで行った。

 その後ろ姿は小さいながらも竜だった。

 その小さな竜が飛び立った後を見てみると、地面が小さく濡れていた。

 食べようとして唾液がこぼれたとか考えにくいし、これってもしかして涙?


 そう言えば、我が子の眠りを妨げるな、とか言ってたような……?

 ひょっとしてあれがクリスタルドラゴンの子供?

……悪い事したかな。問答無用で襲いかかってきたのは向こうなんだけど。


 その後、みんなで協力して鱗の隙間から道具を入れて地道に剥がしたり、時間をかけて角や爪を取り外したりしていった。

 あまりに強靭で作業に時間がかかる。その作業が続けられる間、あたしとヒースが現場の護衛についた。

 地味にモンスターの襲撃があって、地味に経験値が貯まっていく。


 作業が終わるまで十日間。レベルが119になった。

 立派だったドラゴンもすっかり見る影もない。残った分を埋めようにも、この硬い鉱床ではこの巨体を埋められるほどの穴を掘る事もできない。

 しかたがないので後は食物連鎖に任せるか火葬にすることになった。

 いっくらなんでもあたしの魔法単独でお骨になるまで焼く事はできず、燃やすための燃料を運ぶのも大変なので自然に任せる方を選択。


 一応町で行われている葬儀の形式でクリスタルドラゴンを弔い、一同そろって無事に町に帰還した。



グー【それにしてもシルフィーさん、今回もいい商売になったよ。もちろん俺だけじゃなくて町全体のな】

シル【いやいやー。あたしも随分といい経験を積ませてもらいましたから!】


 もともとの依頼人、グーリー店長から報酬をもらってウハウハだ。追加報酬20000メルド!

 こんなに払っても平気だなんて、儲けすぎだろー!

 クリスタルドラゴンでなくともドラゴンから取れる素材は軒並み高価で、大きな都市や王国なんかで特に珍重されているそうだ。


グー【本当なら良いマジックアイテムや武器防具に加工して渡したいところなんだが、さすがにこのレベルの素材を扱える者がこの町にはいなくてな。素材だけ渡しておくから、どこか良い腕の職人がいる所で加工してもらってくれ】


”クリスタルドラゴンの鱗”、”クリスタルドラゴンの爪”を手に入れた!


 キメラタイガーの革はタイガーパレオになったけど、これらからは何が出来るかな。楽しみ楽しみ。

 あたしが一人ホクホク笑顔を浮かべていると、ヒースと店長さんが真顔で何やら相談を始めている。

 聞き逃してもログが残ってるから、ちゃんと話にはついて行けます。


グー【なあヒース。シルフィーさん、背中を預けてもいいパートナーだったろ?】

ヒー【ええ、それはもうすごく】

グー【どうだ?考え改めてみたか?】

ヒー【・・・いえ、やっぱりできません】

グー【俺は今のお前くらいの歳の時からワケありの連中といっぱいつるんできた。秘密をたくさん持ってるヤツばかりさ。けどな、いつしか腹割ってお互いの胸の内を明かしていったよ。それが俺にとってどんだけ辛い事や禍いになりそうな事だって、その時ゃ全部受け入れちまったもんさ。それが仲間ってもんさ】

ヒー【そう・・・ですか・・・?】

グー【今じゃなくていい。シルフィーさんに何もかも話して、一緒に行くといい。そうすればいつかお前の旅も、良い旅だったと言える日が来るさ】

ヒー【・・・でも、】

シル【あたしは構わないですよー。あたしの旅に目的なんてないですし】

ヒー【えっ、で、でも!これ以上危ない事に・・・】

シル【どーせあたしから誘わないと首を縦に振れないんだからいーんです!それに今は危ないくらいがちょうど良いの。はい決まり!】


 強引に押しきってパーティーを組むことにした。

 それにあたしの方が結構ヒースの事を気に入ってるんだから。

 実力もあるし、信用できるし、何よりかわいいからね!


 ぜひともお願いいたしますっ



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