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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第四部
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爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その25

 


 巨大な竜が目の前に降り立つ。台地のようになってるこの岩山の山頂は、竜が降りても全く問題がないくらいの広さがあった。


 竜の体はきらきらと輝き、鱗は透き通っていた。

 全体がガラス細工で出来ているみたい。すごくきれいだ。

 クリスタルドラゴンって言うだけあるな。


ヒー【ドラゴンっ?!こんな大型のはめったといません!ランクはS以上です、こんな化け物が!】


 マジか! ランクSのモンスターって言ったら倒すのに軍隊が必要って安全対策課のアルドさんが言ってた気がする!

 血沸き肉躍るわー!


”我が子の眠りを妨げんとする者よ、その罰を受けよ!”


 うわ! しゃべった!

 かなり怒ってるようだ。問答の余地もない。でも構うもんか、タダでやられたりしないもんね!

 こっちも臨戦態勢をとると巨大な姿が小さくなって、人間大の二足歩行の竜になった。透き通ってキラキラしてる体は変わりない。


 ひと声上げると真っ正面から突っ込んできた! すっごい速い!

 いち早く反応したヒースが剣でその攻撃を迎え撃つ。打ち合わせる度に火花が散ってる。

 竜の攻撃は強烈で今にも剣が折れてしまいそうに見えるけど、剣に魔法をかけてるから大丈夫なようだ。

 援護の為に範囲魔法のサンダーストームをチャージして撃つ機会をうかがう。チャージ版が当たれば痺れて動きが一時的にでも止められるはず。

 竜がヒースの一閃をかわして距離が開いた瞬間に発射! 雷の渦が竜を捕えた! ところがぴくりともしない。全然効いてる感じが無い。なにこれ!

 もしかして電気系は通用しないのか?

 それじゃあ実弾系! ロックストライク!

 無数の岩の散弾が竜に向かって飛ぶ。チャージじゃなければ出も速いし、全弾まともに当てればあのサイズのモンスターならノックバックするはず!


 ばしん!と音がして命中したけれど、ノックバックほとんどしない!

 なにコイツめっちゃずるくない?!


ヒー【シルフィー、今の続けて!】


 りょ、了解! とにかく連射だ。一瞬動きが鈍った竜に向かって撃ち続ける。ダメージが通ってるか不明だしわずかにしかノックバックしないけれど、連打に次ぐ連打で確実に動きを止めている。


ヒー【止め!】


 はい! 合図に合せてロックストライクを止めると、目にもとまらぬ速さでヒースが接近して、さらに光の筋しか分からない速度の一撃が竜の胸の辺りを切り裂いた。

 やった! 血が飛び散る。叫び声をあげた竜は両腕も地面に着いてあたし達を睨みつけ、大きく咆哮を上げた。


ヒー【くっ!なんて硬さだ!】


 まともにヒースのエンチャントスラッシュが入ったのに両断されなかった。ここに来るまでのモンスターもかなり頑丈だったけどそんなの比にならなかったんだろう。

 倒せなかった竜の反撃に用心したヒースが飛び退いた次の瞬間、またデカくなった! 


 元のドラゴンの姿になるのと同時に大きく息を吸い込む。多分ブレスだ!


シル【ヒース、あたしの後ろに!】


 属性分からないから範囲と防御力高い魔法で相殺するしかない。アースウェイブ!


 あたしの周りから発生する岩の壁と土砂の波がクリスタルドラゴンの吐息を遮ったけど、一気に砕けてしまった。

 周囲の鉱物含んだ岩も粉々になってて、一面が更地になってる。攻撃力と攻撃範囲がものすごい! めっちゃ怖い!

 もー! レベルキャップ時の半分しかないマインドが恨めしい! マックスだったらこんなもん!

 だけど防御できるぞ。何とかなりそう!


 ブレスを防ぎきって無事だったあたし達を見て、クリスタルドラゴンの眼光がさらに鋭くなった。

 角が輝きを増したかと思うと、こっちに向かって思いっきり首を伸ばして突き刺してきた。

 ガッと大きな音とともに鉱床の台地に穴が開く。こんな硬い鉱床を易々と貫く威力。まるで温めたナイフがバターにすっと入るかのようだ。

 幸い今回はかわせたけど、こんなの今のレベルのマインドじゃ相殺しきれない。キャンセルさせる以外防ぎようがない。

 

 攻撃に移らせてなるものか!

 休ませることなくあたしは魔法を撃った。しかしろくにダメージが入ってるように見えない。

 くっそー! なんだこの魔法耐性! あの鱗が魔法を散らしてんのか?! 一番会いたくない魔法無効系の敵がこんな早く出てくるなんて! これまでのドラゴン系で最強じゃないの?!

 頭に来たのでチャージしたロックストライクをバンバンぶつけてみた。チャージだと散弾じゃなくて大きな岩石が飛んでいって、着弾すると炸裂する。連射が利かなくなるけど、ボスクラスもノックバックする事がある。けどクリスタルドラゴンはのけ反りもしない。

 マジかよコイツ!

 でも少しだけ鱗に傷がついた。全体がキラキラしてるのに、そこだけくすんでる。そうだ!


シル【ヒース!一ヶ所に集中!】


 あたしの言葉にぴんときたようで、高速移動してエンチャントスラッシュで繰り返し攻撃を始めた。

 分身してるんじゃないの?ってくらいの速さで、角の攻撃も爪の攻撃も届きにくい喉元辺りに連撃に連撃を重ねる。

 さっき小型だった時は斬撃が効いたけど、もとのサイズに戻ったせいか鱗の奥の肉にまで届いていない。

 だけど鱗一枚でもダメにできれば!


”卑小な人間共め! 無力である事を知るが良い!”


 再び大声を上げると空に向かって羽ばたきあがった。

 ちょっとまさか上からブレスとか?!

 さすがにヒースも空は飛べないし、打つ手がない。もー、こうなったら一か八か! チャージ・グランキャノンでブレスを迎撃してやる!


 あたしの周りに光の粒子がどんどん集まってくる。ぴきん!と一瞬光が強くなってチャージ完了! さあいつでも来い!

 天高く舞い上がった竜の口が大きく開かれて、こっちに向かって一気にブレスが撃ち出された。

 負っけるかああああああ! 一際強い閃光と同時にあたしの両手から極太の光線が放たれる。

 真正面からぶつかり合って、ブレスを貫通してその奥の大口開けた竜の頭に命中! 

 だけどグランキャノンはクリスタルドラゴンに当たると拡散して、遥か彼方へ向かって飛んで行ってしまった。

 相手は引き続き滑空して突撃してきた。大急ぎでさっき角で開けられた穴に二人で飛び込む。

 間一髪、地面すれすれを飛んで来た水晶の塊を回避して穴から這い出した。次はこっちの番! もう一回魔法のチャージを始める。


”むぅう・・・小癪な人間よ! だが貴様の魔法なぞ我が身には通じぬぞ!”


 再び台地に戻ってきたクリスタルドラゴンが忌々しそうに言う。

 ええ、そうでしょうね。最強のグランキャノンもあんたの口に当たった瞬間に散っちゃったし? でもそんなの予想通りよ! まともに撃ったって効きやしないってもう分かってる。


 狙いは一点。ヒースのエンチャントスラッシュで細かく傷がついて、光を反射しなくなっている部分!

 多少ひびが入ってても水晶だから光は簡単に曲げたり散らしたりできるだろうけど、熱ならどうよ! ヒートレイ!


 命中したところが大きく爆発して、さらにその奥へと熱線が突き刺さる! 魔法を遮断する鱗のせいで貫通しなかったヒートレイが中で暴れまわった。

 体内を大きく破壊されたクリスタルドラゴンが最期の咆哮を上げながらゆっくりとよろめき、突っ伏すように倒れていく。


 やったー! クリスタルドラゴン撃破!


 クリスタルドラゴンの目から完全に光が消えると、あたしの体の周りにも小さな光の粒が舞って消えていった。

 シルフィーちゃんレベルアップ! しかもレベルアップ時エフェクトが七連続! つまりレベル117になりました。物凄い経験値だ!! マインドも晴れて一万を突破しました!


ヒー【や、やった・・・やりました!シルフィーさん、超大物を倒しました!】


 あたしに少し遅れてクリスタルドラゴンの撃破を実感したヒースも歓喜の声を上げた。

 手と手を取り合い、きゃっきゃ、きゃっきゃとはしゃぐ。あたしだけでも倒せなかったし、ヒースだけでも倒せなかった。このコンビはかなりいい線行ってるかもね!


 爆発とかしないのを確認して亡骸に近づく。間近で見ると鱗とかすごく澄んでてとてもきれい。

 魔法のほとんどに耐性があったけど、やっぱりこの鱗が魔法を乱反射させたり弾く作用を持ってるんだろう。これって色んなものに使えそう。

 鱗だけじゃなくて角や爪なんかも色んな素材になりそうだ。町の人総出で回収して有効活用させてもらおう。


 こんな頑丈過ぎる巨体をどうこうできるヤツなんて居やしないだろうから、この亡骸は一旦ここに置いてフミトの町に凱旋だ!




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