爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その23
先に店の中にいたヒースがそわそわしている。昨日と同じ状態だ。
さすがにあたしが来る前からそわそわしてなかっただろうから、やっぱり警戒されてるんだろう。
グー【やあ、シルフィーさん。昨日はどうもありがとう。ヴォルガゼルの角、良い値で売れたよ。こっちが残金の2000メルドだ】
しれっと現れた店長さん。カウンターの下から昨日の残りのお金をくれました。
ヒー【え?!残金で2000?!一体どれだけ仕入れ・・・たんですか?】
グー【三十七本だな。これだけ一気に持ち込まれたのは俺も初めてさ】
ヒー【いや、でもどうやったらそんなに・・・】
グー【ヴォルガゼルの方から襲ってきたんだと。相手が一般人ならともかく、シルフィーさんの腕が立つとは思わなかったんだろうな。運の悪い魔物だよ】
あたしが口を挟まなくても全部店長さんが話してくれるから、それに任せる事にした。
あたしはとりあえず金貨袋を抱えて立ってるだけ。
金は命より重い……ッ(物理)! これを稼ぐのに命がけって事なんだから、お金は大事に使わなくちゃいけない。
グー【なあ、ヒース。この辺じゃ路銀稼ごうにも、依頼そのものが少ないうえに二束三文だ。傷んだ剣も買い換えなきゃならんし、救護治療品の代金もかさんで思ったほどになってないだろ?ここらでパーティーを組んどけ。昔ハンターをやってた俺の意見も聞いてくれよ】
ヒー【だけど・・・僕は他人に迷惑をかけるから・・・】
グー【多かれ少なかれ仲間には迷惑をかけるもんだ。お互いの大局のために持ちつ持たれつ。同じものを目指してなくても、その道のりが重なってるなら一緒に行った方が絶対いい】
うんうん。クソ上司同僚に聞かせてやりたいねッ
どいつもこいつも自分に火の粉がかからないようにする事ばっかり考えてたからさ! ケッ!
グー【それにシルフィーさんはかわいいし明るいからな!同じ旅路でもどうせなら華やかな方が足取りも軽いぞ!はっはっは!】
ヒー【で、でも・・・】
グー【照れるな照れるな!はっはっは!】
うん?
ヒー【そう言う事じゃなくて・・・シルフィー、さんは迷惑だと・・・】
グー【はっはっは!なーに、この子は度胸も据わってるからこの程度なんて事ないだろ!】
シル【いやいやいや!何でそんなサラッと話進んでるんですか!あたしの意見はガン無視!?】
グー【うん?別にまんざらでもないだろ?あんたは一人よりも大勢に慣れてるはずだ。ヒースは根は暗いかもしれんが嘘をつかない真っ直ぐな男だ。仲間が出来れば絶対悪いようにはしないタイプさ。ヒースの力になってやってくれないか】
うーん、実際言い当てられてない事も無いんだよなぁ……。
シル【まぁ・・・店長さんが言うなら?あたしも仲間がいた方が楽しいし?】
グー【だろ?まあまずはお試しパーティーって事で少し仕事をしてみてくれよ。どんなに良いヤツ同士でも馬が合わないって事はままあるからな。どうしてもダメだって事なら別の奴を当たるといいさ】
そんな風に店長さんにうまく丸め込まれ、まずは二人で店長さんの依頼を受ける事になった。
ヒースは塞ぎこんでる訳じゃないけど、早いとこ心を開いてくれないかなぁ。
一人で沈黙よりも二人で沈黙の方があたしゃ耐えられないよ。
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