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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第四部
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爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その15



 初陣を勝利で飾ったあたしはそのまま歩みを進め、やっとの事で町へとたどり着いた。

 キメラタイガーやっつけるよりも道中、ホント道中の方が過酷でした……。これはどげんかせんといかん。


 ふいー。町に着いたけど、まずはどうしたらいいもんか。

 全然日中だと言うのに活気がない。シャッター商店街も顔負けだ。なになに? どうしちゃったんだ?

 とりあえずてこてこと歩き続ける。あ、看板が見えてきた。……相変わらず看板の文字、全然読めない。

 見えてきた看板にぴっとポップが出る。


”雑貨屋アスカル”

”ビュー呉服店”

”チャーラム食堂”


 プレイを重ねていくうちにいろんなパターン見てきたムゥト文字には大分慣れて、ある程度読めるようになってたけど、ルファラの文字は他の四惑星と共通点ないなあ。

 PFOUにはそれぞれの星で独自文字がある。フツーはその文字読めないからこのポップがホントに重要。異文化コミュニケーションって大変だ。


 それはともかく、早いとこ色々話が分かる人に会いたい。お金もないし。

 こう言う時は大抵役所だとかギルドみたいな所に行くと話が進むんだ。

 今の状況、フリーシナリオ過ぎるから何かとっかかりが欲しいよね。


 おっ、丁度食堂から人が出てきた。この人に話しかけてみよう。


「あ、あの! すみません、ちょっと良いですか?」

「ytれ? くぁwせdrftgyふじこlp」


 む、むお?! 何語だ?! さっぱりわかんない!

 意表を突くトラブルに直面して硬直するあたし。あ! そう言えば休憩中に見てたメニューの中で言語設定ってあった! ちょ、ちょっと待ってておじさん!


 メニューを開いて、言語設定の欄を確認する。

 あ! 翻訳機能ってある! ナニコレ!? とりあえずON!


モス【まったく、何だこのお嬢ちゃんは・・・。なあ、もういいか? どこから来たか知らんが、長居するような町じゃないぞ】


 わ! 分かるようになった! しかも音声!

 これまで会話は文字ボックスだけだったのに!

 すげえ! さらに発言者名も付いてログ残るぞ! 

 あ! おじちゃんがあたしに背を向けた。

 ダメ、行かないで! せっかくの第一町人なのに!


シル【すみません! 待ってください! あの、この町の役所かギルドがどこにあるか教えてほしいんですけど!!】

モス【ん? なんだ、ちゃんと喋れるんじゃないか。え? 役所?】


 え、あれ? なんかおかしいな。こう言う会話パターンがプログラムされてるの?

 すげえ普通に道行く人に話しかけてるのと同じ反応。


シル【そ、そうです。あの、あたし道に迷っちゃったのかな。この町に来るの初めてで・・・】

モス【迷い込んできた? 今道が通じてる近くの町はゴンズかフミトだぞ? お前どっちからきた?】

シル【えと・・・ あっち・・・かな?】


 なんだ、この自由な会話パターン……。選択肢もないのにこんなにスムーズに進むものなの?

 あたしの回答があらかじめ分かってるのかな?

 もともとPFOU NXはゲームとは思えないリアルさが売り。でもこのルファラは裏ステージとはいえ、NPC(※1)とのコミュニケーションまでこんなレベルで超リアルっておかしくない?

 何かちょっと気味が悪い。


モス【あっち?! お前、本当にどこから来た! 悪い冗談はやめろよ?】


 え、え? なんで怒られてんの? 指さしちゃいけない方角だった、とか……?


モス【お前さんみたいなひ弱な女の子が武器も持たずに南東から・・・?】

シル【そ、そうです。休耕地、ですか? そこを抜けてここまで・・・】

モス【キメラタイガーに出くわさなかったのか・・・ 運がよかったな】

シル【あ、キメラタイガーですか? やっつけてきましたよ】

モス【おいおい、冗談はよせよ。最低でランクBの怪物だぜ? そんな簡単に倒せたらあっちの畑諦めたりしねえよ】

シル【や、ホントですって。ぽーんと】

モス【はっはっは。お嬢ちゃん、かわいい顔して冗談がきついね。証拠見せてみなよ?】


 むむむっ NPCのくせに生意気な。そう言やキメラタイガーやっつけた後消えなかったな。きっと町の人に確認させるためだろう。こうなったら連れて行くっきゃない。


シル【それじゃあ着いてきてください。道を戻ったところに倒れてますから】

モス【えぇ?! 冗談じゃない! あんな危険なところに行けるかってんだ! 役人と一緒に行けよ! ああそうだった。役所はここから真っ直ぐ北に行くんだ。大きな道の交差点を左に曲がったらすぐに分かるよ。じゃあな】

シル【分かりました。ありがとうございます】


 ぺこりとおじぎをしておじちゃんを見送る。チクショー、なんて流暢なNPCだ。

 まあともかくファーストイベント(?)クリアーだ。

 何だかすっごく、一つ一つが疲れるなぁ。

 HPエイド(飲みかけ)を取り出してチューってする。


 大体三回で空っぽになるらしい。注意しないと詰むなこりゃ。




~今や広く使われているのでスルーしても良いかなって単語解説~


※1:NPC・・ノンプレイヤーキャラクターの略。元はTRPGでゲームマスターさんが用意した存在で、コンピューターゲームではいわゆる村人A。会話パターンは一定である事がほとんど。たまに何パターンも用意されていたり、話してるうちに会話内容が膨らんでいくケースもある。

 村の入り口で話しかける度に「ここは○○の村だよ」とだけ、淡々と答えてくれる青年の存在は最早テンプレ。安心感すらある。

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