爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その8
さーさ、さっそくダイブしますわよー!
このVRゲーム機、手に入れたのは販売から二ヶ月くらい経ってからだった。
発表されてすぐ買うと決意し注文してみたものの人気が高く、入荷待ちになってたのだ。
六十万円を高いと思わない人達がそんなに居るとは!
いや正直あたしが「買える!」って思っちゃったくらいだから、世の中にはたくさんいるんだろうけど。
出遅れた感があるけどしょうがないよね。
とりあえずあたしのチムメンにはまだ購入者はいなかったから、あたしが一番乗り?!
マジか―! 体験したらまずは散々煽ってやらねば! 欲しがるぞー。
ポールあたりは買いそうだよね。アグリエルはどうかなぁ。
ニュートリノ見なくなって久しいな。大学忙しいって言ってたけど、寂しいもんだ。学生じゃあ買えないだろうなぁ。まあポール(ニューの姉)に近況を聞けばいいか。
そんな事を思っているうちに起動とサーバー接続が全部終了。
メットを被って、と。
メットの中のモニターに映像が映し出される。
四つの星を背景に、広ーい空間を感じさせるBGMと同時にロゴが出た。
”PLANET of FANTASY ONLINE UNIVERSE ‐New Generation‐”
please select "START MENU"
キターーー!!!
どきどきしながらスタートを選ぶ。
――プラネットオブファンタジーの世界へようこそ――
はい、いらっしゃいました!
――アバターを作成します。種族と性別を選択してください――
お、今までの人間、エルフ、獣人に加えて新種族があるよ。ゴーレムだって。
なになに? 魔法技術によって生まれた疑似生命体? 魔法防御、物理防御が高く、魔法は使えないが代わりに様々な内蔵ギミックが使用できる?
こりゃまたマニアックな種族。でも魔法が使えないと言う事で却下也。
えっ これにも性別があるのか。マジでどうなってるんだ。
他の種族にも何かいろいろと変更点がありそうだ。
だけどもーね、はじめっから決まってるもんね。
なじみあるシルフィーちゃん再臨だ!
今度こそあたしが魔法少女になって見せるんだ!
いい年してそんな子供の頃の夢を実現できるなんてわくわくするわー!
PFOU2で設定したのに準じてどんどんアバターを作り上げていく。
って、相変わらず細部にまでこり過ぎだろ! 今度は乳揺れとかそこまでするか。こいつはいかがわしい目的が垣間見える……
リアルであればあるほど良いんだろうけど、ちょっと引くわ―。
そんなこんなでいつも通りのシルフィーちゃんが作成されました。
次は初期衣装セレクト。
PFOU2から衣装が激変してる……。見慣れるのにはちょっとだけ時間がかかるかな。
あ、でもよく考えたらあたしからは見えないんだった。
またお気に入りの服が出たら装備して確認してみよ。
はいオッケー!
――名前を決めてくだしあ――
っ?!
マジか! なんてこと! 何で気付かないの?!
”くだしあ”って! こんな段階で誤字?!
やべえ、マジで不意打ち! わ、笑いが堪えられん!
ぷるぷる震えながら名前を決める。シ・ル・フ・ィ・-っと。
よ、よっしゃ…… こ、これで最終ステップのはず……
くふ、くふふふふ…… は、あは、あはははははは!
あたしが落ち着いたところで完成したアバターの確認。
これが向こうでのあたしかぁ。
……愛でたいな。
見た感じ大体十四、五歳くらいかな? 中身があたしだからロリババアか……
まあいいや、ほっといて!
全体的に申し分ありません。決定!
……あれ? まだ設定項目があった。
――初期ステータスの変更が行えます。自由に設定してください――
お。こんなところから差別化が。
攻撃力、精神力、防御力、命中力、体力。HPも設定できるの?
なになに。MPはマインドに連動して上昇するから弄れないのね。
それじゃあもう、つっ込めるだけマインドにつっ込みますよ!!
攻撃、防御、命中、体力、HPは全部最低だけど、魔法が何とかしてくれるはずさ!
前作で頑張れた実績があるし! これでOK!
――惑星ムゥトと意識を接続します。用意がよろしければ”OK”を選択してください――
はいよー!
待ってました、いざ行かん!
あたしが接続を承認すると視界が一瞬全部暗転し、音も聞こえなくなった。
光の粒があたしの全身をつつむように流れて、一気にあたしを運んでいく。
もちろんこれVR(仮想現実)。まじですげえ!
おお、星が見えてきた。青と緑のきれいな星だ。
オラわくわくすっぞ!
さあ、俺達の冒険はこれからだ!