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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第一部
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転生!物理最強勇者誕生! その4

 まだ見習いの身分だが、騎士団の中でも俺は抜きんでた力を見せていた。

 特にその剣技と魔法を組み合わせた、エンチャントスラッシュは隊長格の上級騎士ですら目を見張るほどだ。

 無理もない。単純に剣速が速いだけではなく、それにレア魔法である閃光系が乗せられるのだ。その速度は雷と変わらない。電子の速度だ。放たれると分かっていても避けられはしない。

 しかしまだ隊長格には及ばない。攻撃に転じれば負けるわけが無い。なのに一太刀も浴びせることができずにいた。攻撃の手をすべて塞がれてしまうのだ。

 悔しいが認めなくてはいけない。俺に足りないのは戦闘経験だろう。


 だからと言うわけではないが、俺はよく騎士団の活動のあと、城下のギルドに顔を出して様々な依頼をこなしていた。


「おう、スネーク! 今日はちょっとお前に頼みたい大物がいるんだ!」


 ギルドの戸を開けたらすぐこれだ。ギルドのマスターが俺の顔を見るや否や声をかけてきた。

 スネークと言うのは偽名だ。前世で「蛇イチゴ」と呼ばれていた悔しさを忘れないように、と言う意味もあるが、あまりに本名で売れてしまうと騎士団だけでなく、ほぼ確定している王家直属近衛騎士隊にいられなくなってしまう恐れもあるからだ。それにルックスもあって、目立つなと言うのが無理なのだ。

 前世の丸くてみっともなく赤くぶつぶつした鼻は嘘のようにきれいになって、目鼻立ちは整い、髪はさらっとした直毛の黄金色。美男美女の両親に感謝しなくてはいけない。


 はじめのうちは本業である騎士団の活動に支障をきたすのが嫌だったので、なるべく目立たないようにしたかった。だがそれはもう無理だと悟ってからはもうこのように堂々とした態度でいる事にした。

 おかげでギルドの受付の女の子をはじめ、フリーのハンターに時々いるお姉さん達にもよく声を掛けられる。だけど俺にはファルケがいるから、愛想を振りまく程度で本気で取り合わない。それは向こうもよく知っているから問題ないだろう。


 そうそう、今日声をかけてきたのはマスターだった。どうせなら受付嬢の子の方が良かったのだが。


「マスター、頼みたいものってなんだい?」

「ああ、中級魔族のアークデーモンが出たって話なんだ。別の依頼で出てたパーティーが遭遇して、六人いた仲間のうち四人を殺られて命からがら逃げてきたそうだ。可哀想な事にそのパーティーはまだ独立して間もなくてな、ランクCの依頼を受けたはずなのにランクAでもなかなか見かけない魔物に出くわしちまったんだ。あいにくランクAを受けられるようなハンターは出払っちまっててな。そこにスネーク、お前が来たってわけだ。行ってくれるか?」

「アークデーモンか…… 俺も見た事ないな。何に気を付ければいいんだ?」

「とにかくそのでっけえ爪と角、それと太い尻尾の一撃に気をつけな。丸太だってへし折っちまう。人間が受けたら即死だろうさ」

「それくらいだったらランクBにもちょこちょこ見るだろ? Aの理由はなんだい?」

「雷系魔法とブレスだ。魔法は正直お前の下位互換程度だから心配はいらんだろう。ブレスは詠唱や溜めなしに撃ってくるから魔法よりもこっちを警戒だな」

「ありがと。それじゃあ今から行って来たら良いか?」

「ああ、早めに頼む。なんせこの依頼、もともとは商隊の護衛だったんだ。街道にこんな化け物がうろついてるなんて言ったら商売あがったりだぜ」

「そうだな。じゃあ行ってくるよ」


 そう言って俺は入ってきたギルドの扉を開けて、単身、化け物が出たと言う街道へと足を向けたのだった。



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