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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第三部
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憑依!S系教育男子出陣! その6

「やあ、コウスケ。ようやく申請が下りたよ」

「ああマスター、ありがとう。さっそく初任務に行きたいんだが、どれが良さそうかな」

「そうだな…… コウスケは武芸より魔道の方に向いてるからな…… コイツか」

「ランクD、ワツヒの森の泉、アグリードワーフの撃退か。最近住み着いたって街の人達が噂してたな」

「そう、それだそれ。アグリードワーフは魔法耐性が低いからな。ただ小さいが力は人間以上。武器も有している事がほとんどだ。接近戦には気を付けろ、いいな?」


 了解だ。

 と言う事で俺はこのルファラで生きていく第一歩を踏み出すことに相成った。



 俺はエシャリに聞き、街で暮らす方法を考えた。

 一人身で暮らすためのアパートはこのルファラにも存在するとの事。利用しない手はない。

 俺はここに通じる街道の途中で倒れていたところを救われ記憶を失っているという設定にした。

 俺はエシャリから商家の主人に紹介され、その主人が保証人としてアパートの契約などをさせてもらった。

 考えるまでもなく、商いを営む人間がこんな見ず知らずの男の世話をしてくれるなんて都合のいい話は無い。これはひとえにエシャリの人徳だ。

 エシャリはその器量の良さだけでなく敬虔なルファラ教信徒として評判で、彼女が保証していると言うだけで事は思っていたよりもずっとスムーズに運んでいく。

 ただしこれからの計画のためにも、彼女が俺を連れてきたと言う事は固く秘密にしてもらう事にした。

 ルファラ教は規律を守ることに厳しい。お勤めの途中、よそ事のために行く予定のないルートを通って俺を発見したので、それを知られるとよろしくないと言うていだ。


 ここからは俺自身が主人に対して信用を勝ち取っていかなくてはいけない。

 それにはまずとにかく仕事が要る。

 働いて貢献している事を示さなくては話にならない。

 そこで俺は自称”ありがたい”神が与えてくれたこの世界の基礎知識を思い出し、身元不明の俺でもすぐに始められそうな仕事を探した。


 この街にもギルドがある。

 王国の首都からやや離れているが大教会がそばに在り、規模はそこそこなので人の往来も多い。

 そのため街道を渡る途中の護衛や、付近に出没する魔物を退治する為のハンター達の滞在も多く、それに伴い仕事を斡旋する組織、すなわちギルドが構えられていた。

 ハンターをやっているような人間にはワケありの者が結構いる。

 ワケありもワケありな俺にもうってつけだ。木を隠すなら森である。


 さすがに身元不明だと申請が通るのに時間がかかる。まあ三日から五日だ。それほど問題ではない。

 ただ問題は別にあった。


 俺の体はもともと前の勇者「アミカ」の物だ。

 エシャリの他にも街の人には彼女の顔を知っている者が時々いて、何度か間違われることがあった。

 こんなところで騒ぎになっては段取りが台無しだ。

 幸い俺が男と分かると人違いだと気付いて去っていく。

 だがさすがにその都度対応するのが面倒になったので、髪を切り服装もより男と分かるような物に変えた。

 胸元を開けて胸板が分かるよう、そして女性特有のウェストラインではない事が分かる上下セパレートの衣装を着る。引き締まっている腹筋のおかげで見苦しく無くて助かった。

 さらにその上に薄手のローブを羽織った。

 思った通り伊達男な出で立ちになっているのだが、「アミカ」自身がその傾向の衣装が似合う素質を持っているようで、俺が言うのもなんだが存外サマになっている。

 彼女自身は徹底的に叩き直すべきだと思っているが、この点に関しては感謝せざるを得ない。


 そうしたら今度は女性から声をかけられる事が増えた。

 悪い気はしないが、地球ではこんな経験が無いから非常に戸惑う。

 だがまだ問題や騒動を起こす訳にはいかない。今は辛抱の時期だ。


 まずは足固め。基礎が無ければ上には伸びない。

 俺が常々生徒達を指導してきた事を自らに実施できねばこれから先が危ぶまれる。


 さて。それではそろそろ行くとするか。

”ありがたい”神様からのサービス能力とやらも試さなくてはならんしな。




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