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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第二部
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召喚!攻撃無効系女子推参! その5

 


「だからアタシには何の力もないんだって! だから地球に帰してよ!」


 魔物達と戦えーだって? バッカじゃねーの?!


「そうは言われましても、私にはどのようにすれば良いのか…… 教皇様にお伺いしておきますので、それをお待ちいただけませんか?」 


 う…… エシャリに上目づかいで言い寄られると断れない。

 あ、エシャリってこのナチュラルガングロかわいこちゃんの名前。

 とにかく早いとこ何とかしてもらわないと……


「……で、何でこうなるワケ?」

「先程教皇様からも言われたではないですか。あの魔法陣は魔王に対抗する力のある者を喚びだす物と。なのできっとアミカ様にもそれに類する力があると思われます! フンスっ!」


 いや、フンス、じゃねーよ。なんでアンタが鼻息荒くなってんのさ。

 でもようやく名前で呼んでくれるようになった。

 違うって言ってんのに勇者様って言われるのキモいし。


 アタシは何かの道場みたいなとこに連れてこられてる。しぶしぶだけど案内された先にあった剣を触ってみた。

 うわー、マジ剣だわ。パねえ~。


 おっもっ!!!

 んじゃこれ!


「無理無理無理無理! 持ち上がんないって! えー! これ振ってんのみんな?!」

「では今度はこれを……」


 ん? 本? まさかと思うけど、メガネポッター的なヤツ? ちょっとワクワクする。


「次はそちらに記されている魔法を試してみましょう!」

「……」

「どうされました?」


……読めない。奇跡を起こしてしゃべれるようにしてもらったけどそれとは別なのかー……

 にしてもワケわかんない字だなぁ。

 あ、そういや漢字で亜弥花って名前書いたらエシャリは絵みたい、って言ってたっけ。おあいこか。


 しゃーない。正直に言お。


「よめな…… 待った! かけるな! きっと目が潰れる!」


 フトコロに手を入れたエシャリを止めた。

 ぜってーこの子、アタシの目にあの砂かけるつもりだった! マジ油断ならね―!


「あの…… アミカ様は、地球では何をなさっていたのですか?」

「アタシ? アタシはただのJKよ。部活もしてないしー、毎日ガッコ終わった後はダチと街ブラついたりオケ行ったりー、カレシん家に泊まってったりー。体動かすような事してないよねー。あ、夜は別ね」


 あ、うろたえた。もー、このおぼこったらっ!


「あ、アミカ様! からかわないで! 離してください!」


 わはははは、顔あっちーでやんの! 両手でほっぺ押さえたら慌てて逃げやがった。かぁいいヤツめ!


「そ、それじゃあ私に続いて詠唱してみてください。簡単なのからやってみましょう。集中してくださいね!」


 あーい。エシャリせんせーの前に並んで手を挙げた。


「炎の力よ、宿りて盛れ! ファイアソール!」

「ほのおのちからよ、やどりてさかれ! ふぁいあそーる!」


 エシャリの手のひらの表面に火がついた。

……アタシのは無反応。


「冷たき者よ、踊れ! スノーダスト!」

「つめたきものよ、おどれ! すのーだすと!」


 エシャリの手からキラキラと氷の粒がふき出す。

……アタシまた無反応。


「風巻け! エアリアル!」

「かざまけ! えありある!」


 エシャリの服がパタパタとはためく。

……アタシその風でスカートめくれるの押さえただけ。



「硬き者よ、守りたまえ! シールドストーン!」

「かたきものよ、まもりたまえ! しーるどすとーん!」


 エシャリの前に砂や小石がぶわーって!

……何も起きないのにも慣れました。


「だめ、ですね……」

「うん。どうなってんの?」

「マジメにやってます?」

「やってるよ! 顔に似合わず辛辣だな!」

「うーん、基本四属性がダメとなると、なかなか難しいかもしれないですね…… 私はレア系統使えないですし」

「とりあえずやってみよ? レアってどんなのがあるの?」


 教えてもらった閃光、暗黒、神聖どれもダメ。

 教会では禁忌って言われて封印されてる死霊魔法ってのもあるみたいだけど、試そうにも本は読めないし使える人がいないしどうしようもない。


「魔法ダメか―。アタシ取り柄ないんじゃね? やっぱり手違いってことじゃね?」

「そ、そんな事! ひょっとしたらマジックアイテムの使い手なのかもしれません! 私取ってきます!」


 いや、どーしても戦わせたいんかい。アタシゃ戦いたくないんじゃよ。

 まあいいや、何やってもダメって分かったら諦めるっしょ。


「アミカ様ー! 持ってきましたー!」


 お、可愛い声が帰ってきた。……って、多っ!!

 アンタこんなにいっぺんに持って来れるんならアンタの方がよっぽど戦えるよ!


「まずは、これを……」


 って、あれ? 受け取ったらボロッって崩れた。


「す、すみません! 持ってくる時に壊しちゃったかな……」

「いーっていーって。次の貸して」


 お? ばらばらになった。

 二連続不良品はいただけないぞ、ベイビー。


「あ、あれ……? これ、魔力でつながってるから運んで来た衝撃とか関係ないのに……。すみません! 次はこれです!」

「わっ 爆発した!」

「す、すみません! え、何が起きてるの……?」


 次、次、次、次、とやっていったけど全部だめ。全部壊れてる。なんじゃこりゃ。


「もしかして……」


 ん? 何か心当たりあるの?

……ってストーップ!


「マグマストーン!」


 エシャリの手から真っ赤な球が飛んで来た! 熱そう! これぜってー怪我する!

 頭抱えてしゃがみ込んだ。


「……あれ? 何ともない」


 エシャリの方を見たら、エメラルドみたいな目を真ん丸にして、ぽかーんと口を開けてた。

 え? 何があったの?


魔力マジック無効キャンセル……」


 は? なんぞそれ?




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