召喚!攻撃無効系女子推参! その2
もー! とりあえず誰か話せるヤツ来いよ!
中年はもういいよ、男は油断なんねーから女子出して、女子!
あー…… 何にも伝わんねー。マジ? アタシここでどうなんのよ、もー……
何か知らないけど涙出てきた。アタシこんな事で泣くんだ。
……乙女じゃね? 乙女じゃね? いまだ少女心無くしてないとかチョー乙女!
あー、もう! 少し泣いたらふっ切れた!
言葉が通じない時のジャストってやつよ!
ジャスト? ジェスト? あれ? あーもういいわ、考えるだけ無駄。
とりあえず身振り手振りでおっぱいとか強調して、口の辺りで手をパッパして、手招きしてりゃ話せそうな女子連れて来てくれるんじゃね?
ここのオサーン達、一応カラダ目当てじゃないっぽいから誘ってるって思われはしないと思うけど……
言葉通じないってマジ不便! つーか喋れないヤツさらって来るんだったら喋れるヤツ用意しとけよって話!
しばらくバカみたいにジェスチャーしてたら、白いきれいな布で出来た服を来た女子が連れてこられた。
そう! ジェスチャー!! 思い出したー! ってかジェストって何だよ! ファミレスかよ!
しばらく行ってねーよ! ドリンクバーで粘って駄弁って出禁にされて以来だよ!
わー…… かわいー……
地黒の肌だけどすごくつやつや。マユみたいに日サロで焼きすぎて荒れまくった肌とは違って天然だわ、これ。
マユもアホだわ、すぐに焼きたいからって毎日毎日通ってあんなんなったら意味ねーっつーの。
アタシみたいに週一くらいで時間かけれ。お肌ケアも欠かしてねーし! ありゃBBAになってから悲惨だぜぇ、超ウケるー!
じゃなくて!
あー…… もうアタシ自分のアホさ加減にうんざりしてきた。
全然話進まないじゃない。
で、この超かわいい系の子が困った顔をしてきれいな目でこっちをずっと見てた。髪も天然金パだわ。生え際全然プリンになってないし。目の色すっげ! エメラルド? エメラルドなのこれ?
え? なに? こーゆーのってマジあり? ホントに居ンの? これすげーって! マジお持ち帰りだよ!
わぷっ!
んだよ! ちょっとかわいーからって急に粉かけてくるとか!
何この砂かけ! キタローかよ! アタシゃ猫娘か?! 前も猫っぽいって言われたけど褒め言葉じゃなかったんだよ、それ!
「あの…… 私の言葉、分かりますか?」
「あン?! 砂かけて謝りもせず急になんな訳?」
「ご、ごめんなさい! 砂じゃなくて教会の秘宝です! 貴女が喋れないようだったから、まずはと思って……」
「謝りゃいいってもんじゃねーんだよ! 謝って全部済んでたらケーサツいらねーよ!」
「え? け、ケーサツ? あの、す、すみません!!!」
「はぁ…… もういいから。とりあえず今の状況説明できる言葉の分かる人呼んできてよ。一体どこなのよここ」
「あの…… ですから、話せます…… よね?」
「は? 何が?」
「ですから、私達の言葉……」
「は? わかるよ? だって日本語じゃん」
「ニホンゴ……? それが貴女の言語なのですね?」
「え? 何言って……」
あ…… 周りのオサーン達が何言ってるか分かる。ナニコレ!
あ、テメ、目ぇそらしやがったな。小声だから全部聞こえなかったけど、悪口言ってたのだけはニュアンスでわかるんだよ!!
「良かった。ちゃんと成功したみたいです! ようこそ、勇者様!」
すごい! さっきまでと全然違う!
言葉が分かるってすばらしい! このストレスフリー感ハンパねー!!!!
思わずカワイコちゃんを抱きしめちゃった!
わ! この子見た目に寄らず出るとこ出てるし、抱き心地すっごい気持ちいい! 最高!
持ち帰る! もー持ち帰る、これ!
「ゆ、ゆーしゃ様…… く、苦しい…… です……」
「あ、ご、ごめん! って、今アタシの事、何て?」
何か今、すっごく耳慣れた聞き慣れない言葉が聞こえたような……
「ですから、勇者様、と……」
は?! 勇者?!! アタシが、勇者?!!