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猛とバルキリーの前の空間の歪みから現れたのは
変な異空間で猛を襲い掛かってきた鳥の化け物だった。
「み、見つけた! 見つけた!……」
鳥の化け物はそう言うと更に猛らがいる方へと
抜け出ようとした。
「相棒! イクゾ!……」
バルキリーはそう言うといきなり、猛の片腕に
噛み付いた。
痛ぁ!……
激しい痛みと共に猛が自分の腕に噛み付いた
バルキリーを振り払うと
ドクン……
と突然、脈打った。
鳥の化け物が猛らがいる世界にまさに出てこようとすると
バルキリーは
「くるぞ!」
と言うといつしか、猛の目は真っ赤に充血していた。
「獲物だ、獲物だ!……」
歪んだ空間から現れた鳥の化け物ようなモノは
そう言いながら、猛に襲い掛かってきた。
だが、猛はまったく、動こうとせず、下を俯いたままだった。
「ど、どうしたんだ? 相棒!」
バルキリーが慌てて、下を俯いたままの猛に声をかけると
「お前は嫌いだ!」
猛は襲い掛かってくる鳥の化け物ようなモノに向かって、
右手を大きく、振り被った。
バッサ……
というと音と共に鳥の化け物の片方の翼は
大きく切り裂かれ、バランスを崩した鳥の化け物ようなモノは
猛の前の地面に叩き付けられた。
鳥の化け物は片羽を切り裂かれ、地面に叩き付かれながらも、
何かに取り憑かれたかのように
「獲物、獲物……」
と言い、這い上がり、猛に襲い掛かろうとしたが
鳥の化け物の前にいた猛の姿はすでに変わっていた。
猛の右半分は赤いうろこ状で顔は牙が生えた
化け物の姿になっていた。
猛のそんな姿を見た、鳥の化け物は躯を震わせながらも
猛に襲い掛かったが一瞬にして、猛は鳥の化け物の前から
姿を消し去ると次の瞬間、猛の姿は鳥の化け物の後ろにいた。
「え、獲物……」
鳥の化け物はそう言い残すと一瞬にして、
その姿を炎に焼かれ、 倒された。
猛が鳥の化け物を倒し、暫くすると変化していた
猛の身体は戻り、崩れるようにその場に倒れ込んだ。
「おい! 大丈夫か? 相棒!」
倒れ込んだ猛にバルキリーは慌てて、 駆け寄り、
気を失っている猛に声をかけた。
そんな姿を少し離れてビルの上から見詰める
人影があったがバルキリーも猛もまだそれには
全く、気付いていなかった。
暫くして、猛が気がつくと猛は自分の部屋の
ベットの上に寝ていた。
「え? ここは?……」
意識がまだ朦朧としている中、猛が独り言のように呟くと
「ここまでお前を運んでくるのは大変だったんだぞ!」
猛の机に腰掛け、バルキリーは猛にそう言った。




