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『え? なんだ?……』
猛が驚きながら、自分の前に現れた影の正体を見ると
それは子犬くらいの生き物だった。
鳥の化け物は自分にぶつかり、猛の前に立ち塞がっている
子犬くらいの生き物【バルキリー】を怖い顔で睨み付けながら
「また、お前かぁ……」
と怒鳴りつけた。
「お前こそ、また……」
バルキリーがそう言いかけると
「う、うるさいわ…… 俺の邪魔をするな!」
と鳥の化け物は猛に向かって、襲い掛かろうと
向かってきた。
「そうはいくか!…… これでも喰らえ!」
バルキリーはそう言うと猛に襲い掛かろうとしている
鳥の化け物に向け、鋭く伸ばした前足の爪で攻撃をした。
バルキリーの攻撃を喰らった鳥の化け物は
ぐぎゃぎゃぎゃぁ……
と悲鳴声のような声を上げ、逃げるように
バルキリーと猛の前から立ち去っていった。
バルキリーは完全に鳥の化け物がいなくなったのを
確認すると後ろを振り返り、怖い顔で猛のことを
睨み付けながら
「しっかりしてくれよ! パートナー」
と言うと猛は怖さのあまりにそのまま、気を失った。
気が付くと猛が原付バイクで空間の歪みに紛れ込んだ
裏路地の脇のブロック塀に凭れかかるように
座り込んでいた。
『気のせいか?……』
猛がそう思い、立ち上がろうとすると自分の手に
真紅のビー玉位の球を持っていた。
「何だ? これ?……」
猛が不思議がっていると不思議な空間で自分を
鳥の化け物から助けてくれた子犬にそっくりな犬が
自分に甘えるように脚に擦り寄ってきた。
『なんだ。コイツ?……』
猛が自分の足元に擦り寄ってきた子犬に
そんな事を思っているとその子犬は
猛の事を見上げて、見ながら
「なんだ。デビルハンターのくせに
何も覚えていないのかよ……
本当にこんな奴が使い物になるのか?」
と突然、人の言葉で猛に話しかけてきた。
『うわぁ…… なんだ。コイツ!』
突然、自分の足元に擦り寄ってきた子犬【バルキリー】が
人の言葉を話したことに猛は驚き、腰を抜かし、
その場に座り込んだ。
子犬はがっかりした顔で猛のことを
見ながら、
「まあ。良いか…… とっとと片付けて、帰れば……
良いか。これから俺さまが貴様のパートナーだ!
共にこの世界に害をなす悪魔どもを退治するのだ……」
と猛に上からの物言いをした。
「そんなこと知るかよ!…… 悪魔退治なんか、
俺はせんぞ!」
猛はそう言うと自分の原付バイクに乗り、
柴犬の子犬のような物【バルキリー】から逃げ去った。
家に辿り付いた猛はバルキリーのことを探し、
辺りを見回したがバルキリーの姿は何処にもなく、
「諦めたか!……」
とホッとして、自分の部屋で疲れた躯や
変な出来事を忘れる為に部屋のベットで眠りに付いた。
猛が気持ちよく、部屋で眠っていると
「猛! また、子犬を拾ってきたのね!」
と言い、バルキリーを抱え、猛の部屋の中に入ってきた。




