1
闇…… 闇に蠢く者らがある……
それに反し、それらを狩る者らがいる……
その者達は人知れず、何百年、いや何千年にわたり、
それぞれ、生き残りをかけ、戦い続けていた。
決着がつかないまま……
ここにまた、その戦いに巻き込まれようとしている
青年がいた。
「こらぁ! 待たんか!……」
「捕まってたまるか!……」
パトカーに乗る警察官の怒鳴り声から暴走族風の
青年・神村 猛は原付バイクの
スピードをあげ、狭い路地を縫うように逃げていく。
そんな猛の姿を月光を背に見詰める影があった。
「やっと、まいたか!……」
狭い路地を駆使し、追いかけて来る警察のパトカーを
まいた猛は乗っている原付バイクのスピードを落とした。
すると、突然、猛が乗っている原付バイクに
小さな衝撃を受けた。
『な、なんだ?…… 小石でも乗り上げたか?』
だが、すぐに猛が乗っている原付バイクは普通に戻った。
『気のせいか?……』
猛がそう思っていると猛の目の前の風景が歪み始めた。
「なんだ?……」
猛は原付バイクを止め、目の前の風景の歪みを確認しようと
バイクのブレーキーをかけたがバイクは止まらず、
まるでその風景の歪みに引きずり込まれるように
原付バイクごと、猛はその目の前の風景の歪みに
引きずり込まれた。
猛が目を瞑り、その目の前の歪みに吸い込まれて行き、
暫くして、目を開けるとそこはさっきまで原付バイクで
走っていた細い裏路地だった。
『なんだ。さっきのところじゃないか……
さっきのはなんだったのだ?……』
猛がそう思いながら、エンジンが止まっている
原付バイクのエンジンを再び、かけようとしたが
原付バイクのエンジンはまるでかからなかった。
『あれ? おかしいなぁ?……』
猛がそう思い、再度、原付バイクのエンジンを
かけようとしたが猛は初めて、自分が居る場所が
さっきまでいた所と違う事になんとなく、気が付いた。
何処か、遠くの方ではカラスのような聞いたこともない
鳥のような鳴き声が聴こえていた……
遠くで聴こえていた鳥のような声は猛の方に
近付いてきた。
「なんだ?……」
猛がそう呟きながら、夜とは違う、薄暗い空を見上げると
すでに猛の上空には鳥のような声の主の鳥の姿をした
化け物がいた。
「なんだアイツ?……」
猛が自分の上空にいる、鳥の化け物にそう言うと
鳥の化け物の地上にいる、原付バイクに跨っている
猛を見ながら
「獲物がいた!」
と言うと急降下し、猛のもとに迫ってきた。
そして、鳥の化け物が猛にぶつかろうとしたその時……
近くの電信柱の影から何かの影の塊が飛び出してきて、
猛に襲い掛かろうとした鳥の化け物にぶつかった。




