バレンタインデー
僕は、伊藤たける小6で、どこにでもいそうで平凡な小学生男子。毎朝あきらと学校に登校している。ただ、そのあきらは、けっこう問題をひき起こしている。同じ6年生だとは思えないくらいだ。この日も、大きな問題を、ひき起こした。僕は、バレンタインデーなだけあって、少しうきうきしていた。だから下駄箱でくつを履きかえている時、あきらの行動に、気がつかなかった。顔を上げた時にはもう、問題が起きたところをあきらは通りすぎて教室に向かっていた。だから僕は、それを追いかけるようにして教室に向かった。向かっている途中に、待ちぶせしていた女子生徒にチョコレートをもらった。けっこうもらえたからうれしかった。教室の近くに近づくと、教室がさわがしかった。特に女子生徒の声が多く聞こえた。僕は、なにごとかと教室に入って行くと、あきらが女子生徒にかこまれていた。だから、状況をもっと知るために、そこに近づいて行くと、なおやがいたので、そいつに事情を聞いてみた。なにやらあきらは、最近人気ナンバーワンのさとるに、チョコレートを渡そうとしていた、女子生徒数名が、あきらにチョコレートを取られたというものだった。あきらにしてみたら、そのチョコレートは、自分にくれるものだとばかり思っていたらしい。まったくばかげた話だと僕は思った。ただ、その日から、あきらを見る目が変わったことは、否定しない。