ペンダント 2
□ ■ ユウ ■ □
これでよかったのかもしれない。
あのオンボロ宿の戻りながら、俺はそんなことを考えていた。
これが最期の機会なのかもしれなかった。 そん中で俺の伝えたいことは伝えられた。
この革命、いや、この後に起こる最大の悲劇にかかわるなということ。
当然だ、さっきもいったかも知れねぇが護ってやれるやつなんか一人もいやしない。
俺だっていつもあいつの隣にいられるわけじゃねぇ。 それは全て現・遊が決めることだし、今回は特に、というよりどちらにせよ無理だろうなぁ。
……まぁとはいえだぁ、こんな考え自体俺の早とちりなのかもしんねぇよ。
ユイを護るやつが全くといっていないわけじゃねぇ。 革命軍にいるってこたぁ陽介や不知火、清水あたりのやつらと行動を共にするわけだろうし。
むしろ俺の考えとは逆で護るに違いねぇ、ユイを、ではなく、あいつの中に眠る「特殊な能力」をな。
まぁ、そうなったとしてもかまわねぇ。 あいつらがどのタイミングで動くのかはしらねぇが、今回で動くわけじゃないだろう。 俺からしたら今回さえ護りきりゃ十分安心できる、一緒にいられる。
……いそがしいのにゃあかわりゃねぇが、そばにずっといてやれるんだ、どんなことだろうがやってやらぁよ、かまいやしねぇさぁ。
それにあのペンダントを持っていてくれたってこたぁ、俺もひとまず安心だ。
今回のことが終わるまで、それまでは……あつかましいかも知れねぇが、あのペンダントにがんばってもらうしかねぇよなぁ。
あれさえありゃぁ……大丈夫だが。
「俺ぁ、死ぬかもなぁ」
□ ■ 立花 遊 ■ □
二日目、朝
一日目は俺と清水の遅刻により海に入ることはできず、夢を怒らしてしまうなど悲惨だった。
それもあって、風紀委員の中で二日目に高まる期待は言わずともあがるばかりであった、のだが。
俺は宿のロビーから入り口の向こう、つまり外の様子を見ていた。
ザァアアアアアアアア。
外は朝であるのにもかかわらず薄暗く、宿の中にいるというのに何かの音がしっかりと響いて聞こえる。
「……勇?何でしょうね? この音は?」
「さ、さぁ」
「何で朝なのに、外は暗いのかしらね?」
「お、お日様がまだおねむなんじゃないのか?」
表情は笑っているものの、その後ろには鬼のような、この世界を滅亡させそうなくらいの化け物が俺には見える!! とんでもないスタンドだ!!
……俺、死ぬかも。
「あんたじゃあるまいし、ん名わけないでしょーーがっぁぁあああ!! 何で雨ふってんのよぉお!!」