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Eternal wish   作者: キッド
59/83

携帯を持て!!

「……全く、腕輪をしていなければ貴方を殺しているところです」


……ヤバいな、そろそろ話を戻さないと。

帰ってきた時にツケが一気にはじけとびそうだ


「んで、話を戻すが、なんでそんなにゆったりしてんだ?」


まさか本当にMな訳ではあるまい……今までの性格上(何度か殺されかけたしな)。


「……はぁ、まぁいいでしょう。腕輪を外したら、八つ裂きにするとして。」


「……清水さーん、女の子が八つ裂きとか、使っちゃいけないと思うんですが」


しかも、結局俺は殺される前提かよ。

……理不尽にも程があるだろ。



「実は夢さんたちは、もう学校にはいないのですよ。」


ようやく話す気になったのか、本題を話しはじめたようだ。でも待てよ?

夢たちは学校にはいないだと?

集合場所は学校だったはず……まさかとは思うが、


「置いてけぼりをくらったのか?」


清水はあくまで平静を装ったような顔でうなずく。


「まぁ、そんなところです。」


……なんてやつだ。 普通、置いてかないだろ?

確かに遅れた俺たちも悪いとは思うが、先に行ってしまう夢も夢だ。

もう少し落ち着きというか、人の気持ちも考えてほしい。


「どうやら、先に現地に行って待っているようなので、二人で来いとのメールが……? 貴方の携帯にはメールは来てないのですか?」


「……ん? あぁ、俺は携帯、持ってないんだよ」


「……えっ?」


俺の声が聞こえていないのか、その場に沈黙が走る。

だが、不思議なことに清水は驚いたような表情を見せる。

聞こえていないなら、そんな顔はしないんだが。


「いや、だから俺は携帯を持ってないんだよ」


そう、俺は携帯を持っていない。

それは、壊れたからとか、落としたとかの意味ではない。 単に携帯を持ったことがない。 それだけの話しだ。


「し、信じられません!! 携帯を持っていない!? 原始人ですか貴方は!?」


げ、原始人?


「機械に疎い、私ですら持ち歩いている代物ですよ!? それなのに、何故貴方は持っていないのですか!? しかも、日本なんて、機械系工業が最も発達している国じゃないですか!?」


……いや、そんなに熱弁されてもな。

それに、携帯を持っていない人だっている。

日本ですら携帯の普及率が百パーセントではないのだ。

……おかしくは無いはずなんだが。


「……ま、まぁ、携帯はおいといてだな」


「置いとけるわけないじゃないですか」


「お、おい?」


急に俺の腕を掴み、歩きだす清水。


「何がなんでも、貴方には携帯を持っていただきます!!」


いや、ちょっ、


「待ってくれって。 大体、俺は携帯のお金なんか払えないぞ」


「それは、大丈夫です。 陽介先輩、お金持ちなので陽介先輩に払っていただきます」




                □ ■ 革命軍本部にて ■ □


「……はっ、くしょん!! あ~」


「何? 風邪でもひいたんじゃないの? 陽介。」


「いや、風邪ではないんだけどさ……。 可愛い女の子が噂してるのかもなぁ」


「……陽介?」


「えっ? 京子ちゃん? 顔は笑ってるけど、声が怖いよ? ちょっ!? それはヤバいって!! グランオルグはヤバいって!!」


「大丈夫よ? 死なない程度にするから」


「いやだから目が笑ってないんだって!? しかもそこ違う!! そこ刺すとこじゃない!! そこおしり!!!!! うおぉぉおおおぉぉお」




              □ ■ 立花 遊 ■ □


……なんか、一瞬陽介の悲鳴が聴こえた気がしたが、気のせいだろう。


「それに今日行っても、契約とか、署名とかで時間とられるんだろ? 今度で」


「1時間もあれば、使えるようになります」


……駄目だ コイツ、意地でも俺に携帯を持たせる気だ。

……逃げられない、コイツからは。 ……あれ? こんなフレーズをどっかで聴いた気が。



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