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Eternal wish   作者: キッド
序章:始まりのようで、終わりのようで<始>
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暗黒騎士最高司令官

全く。あいつ、妹萌えだの言ってたくせに……本当は妹いるんじゃねぇか。


「んじゃ二つ目、あいつの妹を救った所でお前らになんの得があるんだ?」


確かに、傍から見れば素晴らしい行為なんだろうが……まず、普通に考えて、なんの得もなしに人一人助けようとはしないはずだ。  ましてや、将軍様が動き出してるんだからな。


「……私の親友だから……という事では納得しないでしょうね。 嘘では無いのですが、質問の回答としては不十分でしょうしね。」


個人的感情で動くなら、俺を誘ったり、冷静でいられるはずはない。 別に嘘とは言い切れないが、俺の知りたいところではない。


「……あぁ。まぁ、軍からの命令ならあまり話せ無いんだろ?別に話してくれれなくてもいい。」


「いいえ。貴方には知っておいてもらっても大丈夫でしょう。 魔王ですしね。」


……それもそうか。


「あの娘を救って、私達になんの得がある?……でしたね。 それは、あの娘が最高司令官の妹だからですよ。」


……

ちょっとまて。最高司令官の妹? さっきは陽介の妹と言ったよな?……んじゃ、まさか?


「天草 陽介。暗黒騎士の最高司令官ですよ。」


……冗談……って空気じゃないな。


「……なるほどな。それは動かざるをえないわけだ。 ただ、誘拐犯と言ったな。」


「えぇ。」


最高司令官の妹を誘拐か……確かにドラマとかではありがちだ。 権力の高い人間の大切な人を誘拐し、金や物を奪う。 ……だが、それはあくまでもドラマの話しだ。


最高司令官の妹が一人で外を出歩いたりして、周りが許すはずが無い。 それに、暗黒騎士の国に住んでいるはずならば、周りは味方の者ばかりだろう。聖騎士側が誘拐なんか出来るわけは無いはずなんだが……


「……まさか、聖騎士ではない?」


「……勘が良すぎるというのもかんがえものですね。 その通りですよ。ただ、その前に・・・貴方は、どんなことがあろうと陽介さんを裏切らないと誓えますか?」


……? いきなり何なんだ?


「……それはどういう」


「他意はありません。ずっと親友でいられるのかと聞いているんです。 例え、実父と殺しあうことになろうともね。」


!?どういう事だ!!


「俺の……父親?」


記憶が無い。正確には思い出せない。 声も、顔も。


「その前に誓いなさい!! 魔王の息子。……でなければ、貴方を殺さなくてはならない。」


……。  おれが陽介を裏切る?


「……愚問だな。俺は陽介を裏切ったりしない。 その時は……俺を殺すなり、なんなりしてくれ。」


アイツは……そう、たった一人の親友なんだ。 どんなことがあろうと俺は……裏切らない!!

自分の感情を、あらわにした瞬間だった。  すると、発動させてもいないオーラが込み上げてきた。


「……その決意に、嘘、偽りは無いようですね。 いいでしょう。 知って貰いましょうか。……暗黒騎士の現状を」


意思が通じたのか、清水は理解してくれた。


「今、暗黒騎士は二つの勢力に別れています。」


「二つ?」


「えぇ。一つは当たり前ですが、正規の魔王勢力。 もうひとつは、我々の勢力です。」


……どういうことなんだ?


「一般的に言えば、我々は革命軍のようなものです。 私や不知火先輩、あと、先日、唯も加わりました。」


「……そうなったいきさつがあるんだろう?」


元からそうなってるわけはないしな。


「えぇ。 昔は魔王様の下、皆平等に、優しく、助け合いながら生活していました。」


……まるで、今の日本が求めているような暮らしだな。


「いつまでも続くと思っていました。 争いが無く、平和な日常が。」


……本当にそんな所があるなら、俺も行きたいものだ。 昼寝して、飯喰って、また昼寝して……


「でも、ある日を境に、その日常は終わりを迎えました。 それは十年前」


十年前……記憶のあるやつなら、ここで、「俺は、~してたなぁ。」とか言うんだろうが、生憎、俺には記憶がない。


「その日から、魔王様はお人が変わったように、重税にしたり、冤罪をかけられた者には、問答無用に死を与えたり……その他諸々も含め、暗黒騎士は変わってしまいました。 今まで助け合っていた者たちも、お金や食料を奪い合い、貧富の差まで出来てしまった程です」


……。 いくら助け合い、仲良く生きていようとも、結局、追い詰められれば生きるためになんでもする。 それは天使も魔族も人間も、変わらないようだな。


「私達も手を尽くしました。 けど、魔王様は方針を変えることはなく、……。 だから、……私と不知火先輩と陽介さんは革命軍を結成したんです。」


なるほどな。 さすがに見てられなくなったと。  


「そうねぇ、私達二人が士官してから三年後につくったから……結成二年目になるのかしらね。」


不知火は、清水が話しにくそうにしているのをみて、俺に説明してくれた。

実はこの二人、仲がいいのか?


                       →↓←↑


不知火から話を聞かせてもらった。  

とりあえず、革命軍のことは、革命軍のもの以外、だれも知らないということ。

そしてどうやら、この二人は十年前は士官していなかったらしい。今年で革命軍をつくって二年目、士官したのがその三年前だからな。  なぜ、二人や陽介が高い位にいるのかというと、 親から引き継いだらしい。  ……暗黒騎士の社会も、人間とさほど変わりないようだ。



「だが、革命軍なんだろ? 本国にいなくていいのか?」


暗黒騎士の革命軍が、人間側の日本にいるなんて不思議で仕方ない。


「そうね。じゃあ、逆に聞くけど、たった三人で暗黒騎士を変えられると思う?」


……成る程な。 要するに、今は仲間を増やし、戦うための戦力を増強している時期らしい。


「……成る程な。今は仲間を増やし、戦いのための力を蓄えている。 ということか。 んで、中立の人間を仲間にしていると。」


「えぇ。そういうことです。」


「んで、誘拐したのは魔王だと、……そういうことか?」


……だが、なんかおかしくないか? いまいち話が噛み合わない。 この二人も陽介も魔王に士官してる。だが、革命軍。んで、密かに仲間を増やし、戦いにそなえている。 が、陽介の妹が魔王にさらわれた。 普通に考えれば、反乱がばれた……とかんがえるが。


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