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21話 事件解決後

 毒を体内に入れるための道具と思われるあの道具は、研究所に預けられて研究されるようだ。リゼルに向かって矢を放った者は遠くの森に居て、普通の弓ならばリゼルとフローラが居たところには届かない。そのため、矢を放った者のことも国中で探されている。

 その者について、何も手掛かりがないとは言えない。例えば、リゼルの左腕に刺さったあの弓は重そうに見えて軽い毒入りの小瓶が接着されていた。それはどこから仕入れたのか、それとも自分で作ったのか。


「———明日から、護衛を再開してもらいますね。リゼル」

「はい。姫様」


 草原にて、馬とフローラが見守る中回復したリゼルとシウィアは話していた。リゼルが謝罪と礼を先程済ませて、今は護衛を再開することを話し終わったところだ。


「………ところで、お兄ちゃんは何で王女殿下を姫様なんて呼んでるの?」

「それはですね。私が堅苦しい呼び方は嫌だから変えてと言ったから、ですよ」


 フローラの質問にシウィアが少し屈んで答える。フローラは「なるほど! 納得!」と王女相手にピカピカ輝く笑顔を向けた。


「ちょっ、フローラ……」

「ふふ。良いんですよ、リゼル。国民の一人に慕われてるのは嬉しいですね」

「…………」


 本当に嬉しそうな微笑みを見て、リゼルは反射的に黙り込む。だが伝えなければいけないことを思い出して、口を開いた。フローラと何故かハイタッチをしているところ申し訳ないのだが。


「俺もですよ」

「え?」

「………俺も、貴女を騎士として慕っております」


 そう言うリゼルの口角は、ほんの少し上がっていた。

 シウィアは彼の笑みを見て頬が染まり、その顔を両手で隠す。


「家族以外にも笑えるじゃないですか………」

「…………?」

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