13話 暇な時間
短いです、宜しくお願いします!
帰城して、リゼルとシウィアは別行動をとることにした。シウィアはザレンカについてもう一度、その資料集を読むとのことで、暫くリゼルに休憩を与えてくれたのだ。休息など要らないのだが、主から与えられた自由だ。有難く、受け取っておこう。
「でも、何するか………」
(一日中休憩なんて、暇過ぎるって………)
彼女はザレンカの毒収集したのにも関わらず、一日『王女の図書室』にこもってザレンカの資料集を読むようだ。因みに、毒が入った瓶は危ないため、倉庫に厳重に保管してもらった。だが、危険など起こるもの。それでも休息してくださいと言って来たので、リゼルは休憩しているということだ。
「………家に、帰ろうかな」
近衛就任の翌日に貰った、妹から送られて来た手紙は大切に机の引き出しに仕舞ってある。それを取り出し読み返してみると、『偶に家に帰って来て私に乗馬を教えてね』と書いてあった。休憩も頂いたし、家族に顔を見せて、妹のフローラに乗馬を教えようとリゼルは思った。
「よしっ……」
そう呟き、リゼルは馬房に向かった。
リゼルが向かった馬房には、近衛や騎士の愛馬が居て、近衛の馬は長く続く馬房の右辺りにある。前は、リゼルの愛馬であるレホクも左辺りにあった。
「ごめんな。数分前に戻って来たばかりなのに」
良いよ、と言うようにレホクはブルル……と首を振った。
リゼルは「ありがとう」と馬の額に己の額を合わせ、礼を言った。
「じゃあ、行くか」
鞍と手綱を付け、レホクに跨ぐ。目的地は、リゼルの生まれた村だ。
村の人たちにどんな反応をされるだろうと、リゼルは少し楽しみだった。




