第7話 ゆる狐
よろしくお願いします。
side裕一
今日から授業が始まる。
とはいっても数日はオリエンテーションまみれでまともな授業はまだ無いはずである。
狐は昨日話し合う事があるからとか言って校長と共に転移していった。
今日学校で合流する事になっている。
「廉ー!おはようー!!」
まだ熟睡中の廉を叩き起こす。
寝顔が可愛い。後で狐に写真の撮り方を教えてもらっておこう。
飯は海代グループ構内でとても安く食える為、そこで食うことにする。
「あ、裕一さん。おはようございます。」
「だから敬語は良いって。」
距離がある感じがして寂しいぞおじいちゃん。
朝の支度を終え、朝食を食堂のような場所で食べる。
廉はオムライスを、俺はピリ辛担々麺を食べた。
旨かった。
飯を食ったらそのまま学校へ、1年生の教室は3階にある。
若返り前は階段の上り下りがダルかったので転移とかを使ってズルしてた。
今は足腰が活き活きとした感じがするので階段を登ることが苦にならない。
「一年一組…。ここだね。」
教室に入る。
中には既に数人生徒が居る。
「よっ。学校は爽やかで良いねぇ。」
いきなり女子が話しかけてくる。
可愛いけど馴れ馴れしいな。
何故かちょっとイラッとしたし。
そこでふと気付く。
「ん…?お前狐か。」
そう言うとその女子(狐)は
「いかにも!」
と胸を反らした。
「お前何で女子の制服着てんの。」
「僕が女子だからだよ。」
そう言い口笛を吹く。
嘘つけ。
昨日喧嘩した時に見ている。
こいつはオスだ。
「いや、俺は確認している。お前はれっきとしたオスだったはず。」
「はぁ!?確認してんの!?きもっ!!」
顔を真っ赤にしながら俺を糾弾する。
「それで何で女の格好してんの?」
「良いだろ別に…!!」
顔を真っ赤にして呟く。心なしかちょっと涙目だな。
よく分かんねぇ奴だ。
「まっ……まぁ、それは置いておこうよ!多様性の時代だし!!」
後ろで空気と化していた廉が言う。ごめんな廉。
「そうだよねー。こんな奴ほっとくか。」
「こんな奴って言うなーっ!」
狐がキャンキャン喚く。
こいついつも怒ってんな。
「もう知らない…。とりあえず僕は笹谷狐子という名前で生活する。そこんとこ2人ともよろしくね。」
「あいさー」
気の抜けた返事をしておく。
高校のオリエンテーションは雰囲気が良かった。楽しい。
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