第55話 本番
電車の中で休憩しなければ一日4話書ける事に気付いてしまいました。
対策部怪異家の一グループは、空間系術式の大御所、千与家の華一と共に共闘を行っていた。
「凄い!この早さなら渦の制圧も時間の問題ですよ!!」
この戦いが初陣となる新人の怪異家は先輩達と共に華一に補助術式を掛けつつ叫ぶ。
「馬鹿!油断するんじゃねぇ!!こういうのはイケるって思った時が一番危ねぇんだ!!」
グループ内で最も年長の者が新人を諫める。
「彼の言う通りだ。我々はこの怪異達を処理しつつ、裕一さんへと合流しなければならない。」
気を緩める事無く、華一は語る。華一だけでなく、現在後から合流してきた人間には裕一へと伝えなければならない事があった。
突如、轟音と共に地鳴りが起こる。
「えっ!?えっ!?何ですか!!?」
先程の新人は恐怖に顔を引き攣らせながらその場にしゃがみ込む。
「立て!!死にてぇのか!!」
先輩達は新人の首根っこを掴み、立ち上がらせようとする。
「っ!!避けろ!!!」
何かを察知した華一はグループに指示を出し、防壁術式を展開する。
直後、渦の中心部から地上へと何十発もの雷が放たれる。地上の家屋は吹き飛ぶものもあり、樹木は燃え始める。
「危なかった……。怪我した者は?」
咄嗟の華一の判断により、幸いにもこのグループに死傷者は出なかった。
しかし、恐らく今の雷に対応できなかったグループは何人か死んだであろうと、その場に居た怪異家達は思う。
「クソ……、出て来やがった……。」
華一は悔しそうに空を見上げる。
彼の視線の先にはゆっくりと、空の渦より地上へ降り立とうとする巨大な怪異の姿が映っていた。
* * *
結構順調に怪異を処理できている。
流石に辺り一面怪異が居るような状況の中では現在の俺でも集中して術式が使える。これで爆発術式のみの縛りは無くして良いだろう。
渦直下付近でひたすら怪異を処理している裕一は思う。
直後、空の渦から広範囲へと広がる大量の雷が落下してくる。
裕一は怪異を処理する手を止めたくないので、雷を避けながら怪異を処理し続ける。
「急に何だ……?」
裕一が空を見上げると、そこには渦から地上へと降り立とうとする巨大怪異を目が合った。
* * *
「おい、お前、帰れ。」
裕一は視線が合い続けている巨大怪異へと命令する。
このデカブツが恐らく邪神だろう。コイツさえ居なくなれば今回の騒動は終結すると裕一は思う。
「宇喜田裕一は……お前か。お前を殺したら帰ってやろう。我は魔界を統べる神。己の運の無さを悔やむが良い。」
神と名乗った巨大怪異は語る。
「それにしてもこの世界へと来るのはいつ振りか。刀は使わぬのか?弓はどうした?」
邪神は饒舌に語る。
「刀?弓?お前は過去にここへ来た事があるのか?どこで知識を得た?」
今の所邪神は思い出話を語る気満々なようで、戦闘する気配が見えない。裕一は気になった事を問いかけた。
「如何にも。私は過去にこの世界へと来た事がある。知識なぞ人の子の頭を覗けばいくらでも手に入る物よ。」
邪神は語る。
あぁ、コイツが国沈か。裕一はたえの資料に載っていた話を思い出す。これ程の巨体、気配から察するに、恐らくコイツは鎌倉時代に日本中を震撼させた怪異、国沈だ。
たえは今回のコイツと国沈の共通点をしていたが、まさしく同一人物ではないか。しかし討伐されたと聞いているぞ?まぁ数百年も前なら伝聞が変わる事などざらか。
「にしても貴様らの神性も落ちたものよ。今では我のこの領域に入れる者が数える程しか居らぬ。」
国沈はそう語る。
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