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第4話 狐

Twitterやってます。@esevn20

フォローブクマその他もろもろ貰えると嬉しいです。

よろしくお願いします。



side廉



 「いい湯だったなぁー」

裕一君が言う。



 「そうだね。」

先輩達も優しそうだったし、広い浴槽もわくわくした。




料金も学生料金で100円と、かなりお安くなっているしまた行きたいなぁ。






風呂上がりほかほか気分で春雨寮に戻っていく。






寮までの短い夜道の間にふと、先輩達が話していた幽霊の話を思い出して気分が重たくなる。






 「裕一君は幽霊、見た事ある?」

話題を作る事も含めて聞いてみる。






 「呼び捨てで良いぞー。幽霊は見た事無いなぁ。そんなに心配しないで良いんじゃないか?」






裕一君はあんな話を聞いても気にしてなさそうだった。凄いなぁ。僕には出来ないや。





side裕一






廉に幽霊を見た事はあるかと聞かれる。

見た事あるどころでは無く現在進行形で夜空をバンバン飛び交う魑魅魍魎が見えているわけだが。






 「幽霊は見た事無いなぁ。そんなに心配しないで良いんじゃないか?」




とすっとぼけておく。

そんなに心配しないでも直ぐにじいちゃんが駆除してやんよ。





…でも怖がる孫も可愛いからしばらく放置するのも一興かもなぁ。






そんな事を考えながら歩いていると春雨寮の前へと着く。





ん…?





目の前に並の狐より二回り程大きい狐が飛び出してくる。






 「遅いよぉ。僕を待たせるなんて人間は傲慢だなぁ。」






 「ききききききつねが喋ったぁ!?!?あぁ!??」





廉がみっともない程狼狽える。可愛い。




にしても化け狐が。

俺の前にのこのこと出て来るとは愚か者め。駆除してくれる。





横には廉が居るからなぁ。





廉に狐が見えている以上、下手な術式で狐に関与すると廉にバレてしまうかもしれない。それは嫌だな。






決めた。


不可視に身体拘束、これで速攻でぐるぐる巻きにして廉と離れた後ゆっくり処理すれば良いや。





そう思い術式を発動する。


 「がぁっ!?人間!?!?なんだこれはぁ!!??不遜だぞ!!!」


やべぇ、口塞がなきゃ。




とりあえず化け狐付近の音の伝達を遮断する術式を重複させ事なきを得る。





後はどうやって廉から離れるか…。





これだな。


 「うわあわあぁ!?!?!?狐が喋ったぁあぁあ!?!?!?」


廉の真似をする。



滅茶苦茶ビビり散らかした様子を演出し、逃げ出したふりをして春雨寮を離れる。化け狐を遠隔で運びながら。


ちと情けない格好だが違和感は無いだろう。





実の所、廉は最初の段階で気を失っている為、一切の演出が必要無かったのだという事を知る者は知らない。






春雨寮からしばらく走り、人気の無さそうな公園で化け狐を放す。






探知系の術を使い、万が一化け狐が逃げ出したり一般生徒にバレそうになったりしてもカバーできるようにする。





目を回している化け狐はゲホッと咳をした後

 「人間!!何だあれは!!そもそも貴様は人間なのか!!?」

とまくし立てて来た。






ちょいと生意気な感じがしたので

 「狐風情が偉そうに。いつでもお前を処分出来るんだぞ。」

とドスを聞かせてみる。





 「僕は神だぞ!!?不遜だ!!控えおろう!!!」





なんだこの虚言狐は。ぎゃあぎゃあと煩いな。





 「お前みたいな弱っちいのが神な訳無いだろう。強がりも大概にしろ。」






 「弱っちいだと!?僕は本当に神だぞ!!この地域一帯を統べる海代之狐翁とは僕の事だ!!お前なんか片手でひねり殺せるぞ!!覚えてろ!!」





キャンキャン喚いている。こいつ俺に為す術も無く拘束されたクセに。






 「そうかそうか、そんなに強いのなら俺と勝負するか?どちらが上か分からせてやる。」



少しちょっかいを掛けてみたくなったので挑発してみる。







 「久しぶりに頭に来たわ。神に喧嘩を売るとは愚かな人間じゃのう!!後で謝っても知らんぞ!!」




こうして高校人生初の喧嘩相手は自称神の化け狐となった。






「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価をよろしくお願いします! していただけたら狂喜乱舞します。宜しくお願いします!

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