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第30話 お守り

元気です。


いわゆる、わがまま者の王様。





宇喜田裕一はそう言って差し支えの無い人間であった。

民主主義もクソも無い独裁者。




しかし、反発は起きるが、明確な敵意を持つ家は殆ど存在しない。むしろ普段は好意的ですらある。




殆どの家が彼に、宇喜田家に恩義を、畏怖を感じているからだ。




当主である彼自身が普段は政治や取り決めに無関心な事も反発の激化を抑える要因となっていた。





だが、それだけでは無い。





何処の怪異家の人間の目にも焼き付いているのだ。





己が倒せなかった怪異達を宇喜田家の人間がまるで小バエを払うかのように殲滅していく姿を。





橋口家が、吾郎が裕一の人となりを知らなかったのは無理もない。



京都と神奈川、地理的にも遠く離れている故に、橋口家の耳には噂しか届かない。





 「という事で、市村も精霊もまた学校へ通って良い、が流石に条件付きだ。お前ら春雨寮に来い。万が一お前らが暴れた時に迅速に対応する必要があるからだ。」





裕一は言う。






吾郎は心の底からこの男に感謝した。

どんな手を使ったかは知らないが、とんでもない無理を通し、己の孫を救ってくれたこの男に生涯付いていこうと、密かに決意した。





 「裕一さん……ありがとうございます。」




市村京子も頭を下げる。



彼女自身は真に事の重大さを理解しては居なかったが、ここ数日の家族、特に祖父の憔悴具合は見るに堪えない物があった。





 「本当に、本当にありがとう。」



ここで頭を下げたのは何も人間だけでは無い。精霊もまた二人と同じか、それ以上の感謝を感じていた。




 「どうもどうも。という事で助っ人を連れてきました。」





裕一は言う。




助っ人……?という困惑の空気が場を包む。





 「ほら、出て来て。」





 「嫌だよ!!殺されちまうよ!!」




 「平気平気平気。」




裕一が開いた転移術式の先で、何者かが裕一に掴まれ、じたばたと抵抗している。




吾郎は思った。連れてきたというか、無理矢理引っ張って来るのでは……、と。言わないが。




抵抗空しく、転移術式の中から裕一の手によって何者かが引っ張り出され、「ぎゃふ!」という鳴き声のような物を出しながら机の上に落下する。




 「はい。高校付近を治める神と己を自認する化け狐を連れてきました。」




 「何だその紹介!!お前まだ信じてないのか!!」





裕一が連れてきた者を見て吾郎は戦慄する。




 「ええと……。まさか海代之孤翁様ですかね?」




裕一の手によって引きずり出されたその狐のような姿を持つ者は、吾郎のよく知る東京地区一帯の神の姿と瓜二つ。





大手の怪異家は付近の神々の勢力図も頭に入れる必要がある故に、神についての勉強は欠かしていない。




吾郎の記憶違いでなければ、この狐の姿をした神は関東圏においてかなりの実力を持つ存在であった。




数十年前から姿が見えなくなったと聞いていたが、こんな所に居たとは……。と思う。




 「お、俺の事知ってんの!?お前好き!!ほれみろ!裕一!やっぱ俺有名なんだよ!!」





目の前の狐翁様は気を良くしたのかニコニコと裕一にちょっかいをかけている。




神ってこんなにフランクだったか……?と吾郎は困惑した。




 「という事で、お前の孫の面倒はこいつに見させるから。普段は人間に変装して学校に通ってるし。」





吾郎はぎょっとする。




 「流石に罰当たりなのでは……?」




吾郎は混乱を極めた頭からその一言を捻り出す事しか出来なかった。



















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