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第27話 説教

もう少し一話一話が長い方が良いですか?


あぁ、馬鹿だなぁ。






俺との交渉材料に廉を、俺の孫を、この女は持ち出してきた。





後ろで話を静かに聞いていた橋口吾郎は一瞬で青ざめる。こいつの方はまだ事を少しは理解しているらしい。




何が地雷だったのかは分からない、が確実に己の孫娘が地雷を踏み抜いたという事は分かったような顔をしている。





俺と廉の平和な高校生活。邪魔者が出て来たとして、最悪そんな奴は消してやっても良いと思っている。




交渉というのは、双方がある程度歩み寄って行われる物。迂闊な事をして相手との対話の可能性を失う等、交渉としては下の下である。






 『市村、お前は何も分かっていないだろう?交渉しようとしているのなら、もう少し慎重にやってくれ。』




こんな事を俺以外の人間にしていたら命は無かっただろう。俺が寛容な人間で良かったなぁ。





 『!?…………はい……。』


ほんの短い一瞬、瓦礫に倒れたまま、精霊が辛うじて憑依したままの市村京子の体へと明確な殺意を向けた。



市村京子も、いくら鈍感とは言え、人から向けられた殺意というものに戸惑ったらしい。





馬鹿なワガママ女。




精霊を飼うリスクも廉に手を出す事の危険も理解しないまま突っ走っている。

多分こいつは早死にするな。





 「宇喜田……裕一……。」



取り憑いたまま瓦礫に倒れていた精霊が、ボロボロになりながらも体を起こす。





 「あ?」




そうだ、そもそもこんな面倒事が起きている原因の何割かはお前なんだ。許さねぇぞ。




そんな事を思っていると、精霊は憑依を解除する。

直後、市村京子の体は脱力し、意識が無くなる。精霊憑依解除後の副作用か。




そして、




 『すまなかった。どうか、京子だけは俺の命に免じて許してやってはくれないだろうか。』




そう言って土下座し出した。




 「はぁ?」






 * * *



聞いた事が無い。精霊が人間を守るために己の命を差し出すと宣言する事等。





精霊は人間よりも上位の存在。精霊から見る人間等、人間から見る蟻の感覚に等しい。




人間だって、いくら蟻好きと言っても一匹の蟻の為に命を差し出す奴は中々居ないだろう。居たらそいつは変人だ。




しかし目の前の精霊は土下座を辞めない。




初対面の印象は悪ガキ精霊であったが、こうして人間の為に土下座をし、己の命すら厭わない姿を見て、印象が変わる。




 「お前が京子を庇って何になる。」




問う。




 「あいつは……、俺に自我を与えてくれた、親のような存在なんだ。」




そう言って精霊は語り出す。





精霊はかつては物を考えない霊力の塊であった事。




ある時、幼少期の市村京子に出会い、以降行動を共にしていたらしい。



恐らく霊力の塊はふわふわとした物に見えるから、ちびっ子には魅力的に見えたのだろう。




こうして何年も市村と過ごしていく内、ただの霊力の塊だった物は、自我を手に入れ、精霊へと進化していく。





そしてここ最近になって、市村自身へ干渉する事が出来るようになっていた。

精霊は現実に影響を与えられる程までに成長していたのだ。






意識を持ち、市村を母体として生まれた精霊、その生きる目的となったのは己の親とも言える存在、市村京子の保護となっていった。



己の存在を保ち続けられる最小限の対価を貰い、京子を守る日々。




そんな生き方をしていて今日に辿り着いたという。






参ったなぁ……。







 「そういう話に弱いんだ。俺。」





 

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