第25話 討伐
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市村京子に取り憑いた精霊は連続で何十発もの精霊術式を発動する。
冷気や爆発、様々な属性の術式が入り交じった結果、砂埃は巻き起こり雨は降り。
戦闘が行われている近辺一帯は最悪の視界。
肉眼では数メートル先すら満足に見えない状況となる。
しかし我々、精霊を含めて恐らく全員が認識強化術式を使っている為、互いの行動の精度が下がる事は無い。
筈だが、実はこんな最悪の視界状況でこそ最も効力を発する術式が存在する。
それは亜空間術式。
亜空間術式はその性質上、発動者以外には感知する事は出来ない。
何故なら亜空間術式は亜空間内に術式が展開される為である。
多くの場合では持ち物を保管したり転移術式に応用されたりする術式、であるが実は短い時間のみとなるが、術式自体を保管する事も出来る。
亜空間術式はエネルギーの拡散を抑えたり等の加工が必要となり、それなりに技術は必要だが対精霊には非常に強力な武器となる。
連続で飛来してくる精霊術式を跳ね返しつつ少しずつ、少しずつ亜空間術式に取り込んでゆく。
戦闘中、それも最悪の視界の中ではいくら認識強化術式を使っているとはいえ、たまに反応が消える己の放った術式の存在に気付く事は容易ではない。
亜空間術式内に大体30発程の精霊術式を取り込む事に成功する。
ここまで来たら後はぶつけるだけだ。
俺は精霊へと間合いを詰める。
「うろちょろしやがって!!やっと力で勝負する気になったか!!」
間合いを詰めはじめた俺を見て精霊は言う。弾き返される己の術式に嫌気が差していたのだろう。
残念だったな。
「行くぞ!!!」
そう大きい声で宣言し精霊の気を引く、と同時に火炎魔法と爆裂魔法の複合を発動する。
これら二つの術式は見た目がハデであり、火力もさる事ながら、戦闘中の煙幕としての効力が非常に高い。
複合して発動させた術式の裏で転移術式を発動させる。
転移先は、精霊の背後。
転移した瞬間に精霊は俺が正面から居なくなっている事に気付いたがもう遅い。
俺は亜空間術式から精霊術式を取り出し、精霊へ向けて放つ。
* * *
鋭い閃光が走り、精霊を中心とした大爆発が発生する。
決まったな。反応を見た感じ、精霊にまだ息はあるがノーガードからあれを喰らえばしばらくは動けないだろう。
「おい、吾郎。どうだった?」
傷だらけで肩を押さえている吾郎に超再生を掛けながら感想を聞く。
「何回か死にかけました。京子は無事でしょうか。」
「加減したから生きてはいる……と思うけど。」
「そんな適当な!!」
そう言うなり吾郎は精霊が落下していった瓦礫の方へと駆け出す。
『冬弥ー。そっちはどう?』
念話を用いて結界外の冬弥に状態を聞く。
「一応万が一を考慮して付近一帯の民家は〝ガス爆発が起きる可能性〟と称して付近の避難場所へ避難して貰いました。念の為と裕一さんからの要請として他の怪異家に声を掛けたらとんでもない数の家が集まってきて現在てんやわんやです。」
ほうほう。結界漏れも無かったようで良かった。
沢山怪異家が集まったのは……、何でだろうな。
まぁ良いや。精霊にとどめを刺しに行くか。
俺は瓦礫の側でへばっている精霊の元へと歩く。
もう体を動かす力も残っていないのか、市村京子に取り憑いた精霊は落下時の姿勢のまま倒れている。
ここで精霊を殺せば市村京子の体は解放される。
うっかり肉体もろとも破壊してしまわないように加減しつつ、術式を展開する。
今にも精霊にとどめを刺そうかというその瞬間声がする。
「やめて!!!この子を殺さないで!!」
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