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第1話 はなしあい

第一話です。









海代高校。




東京都内にある私立高校である。

1977年設立。何度かの改築工事を経て今に至る。





偏差値や部活等、飛び抜けて優れた所は無いが、どこをとっても平均値より少し上…。といった、いわゆる〝そこそこ〟と評される高校である。





地方から来る学生に向け、校舎付近にいくつかの寮が併設されている。





校舎のある区域一帯は海代グループ関連の施設が多く存在し、学生は優待料金で利用できる為便利…。



そんな情報を乗せた学校まとめサイトを新調したばかりのスマホで調べつつ電車に乗る少年。





彼の名前は佐藤 廉。




今日から海代高校の新入生として入学するのだ。




「最初が肝心だよね…。」




新しいスマホであるが、彼の検索履歴は既に



・高校一年 4月

・友達 作り方

・初対面 話題




等の、文字で埋め尽くされている。

彼は基本的に小心者だった。



彼の実家は京都にあり、寮生活の予定である。




今まで見たことの無いものに一人囲まれる生活となった佐藤少年は緊張しまくっていた。




故に、彼はまだ電車を乗り過ごした事に気付いていない。





電車を乗り過ごした事に気付いた時はかなり焦った。

半泣きで入学式会場へと向かったら幸いにもまだ入学式は始まっていなかった。





「今日は危なかった…。次からは気を付けないと。」




入学式の最中、話しかけやすそうな人を探してみたけど、いざ話しかけようとすると緊張してしまう。





「誰か早く友達作らないとなぁ…。」





コミュ力の強そうな人達は既にグループ化しながら談笑している。




どうやったらああなるんだと廉は思う。




そんな風に一人ぼーっとしていると、先程発表された自分のクラスの担任の後ろについて行く生徒が目に付いた。






「あの人、新入生だよね…?先生と一緒にどこに行くんだろう…。」











side裕一




「なんだこれ」





何かがおかしい。





俺の目の前に座る校長は平静を装っては居るが、内心緊張で吐きそうになっているのが目に見える。





校長の横に座る男は知っている。

分家の次男だ。





名前は確か冬弥だったな。





小さい頃に何度か遊んでやった記憶がある。


冬弥が口を開く。




「裕一さん。一体どういう事ですか…?というかそもそも、あなたは本当に裕一さんなのですか…?」




困惑気味に冬弥が聞いてくる。




無理もない。




宇喜田 裕一、つまり俺は本来は齢80を越した老人である。

しかし今の見た目は15になったばかりと言える少年である。





「本当に裕一だ。色々な術を使って体の時を巻き戻した。」





俺が現当主である宇喜田家は昔から日本の怪や妖術の類い等、いわゆるオカルト関連の被害を抑える一団の筆頭である。






何度か日本沈没の危機もあったが全て封じ込めてきた。





一般人から見れば魔法のような…実際魔法と言えるものであるが、そういうものも使える。




特殊な事象に対応する職柄の為、民間には目立たないが、耳聡い上流階級等の人間の中では一目置かれているとか。 




なんなら鎌倉時代以降、時の権力者の側には常に宇喜田家の人間が居た……とすら一部の人間には言われているらしい。





俺は色々忙しく飛び回っていたせいでその辺りの情報に疎い。





恐らく校長は宇喜田家について何も知らないが、それで良い。






「肉体の巻き戻し…。まさか時空干渉と超再生の複合にゴニョゴニョ…」



冬弥は若返りのメカニズムについて考察し出した。




しばらくして冬弥は、

「まぁ裕一さんならそんなデタラメもあり得ますよね…。疑って申し訳なかったです。」




と半ば諦めの表情で呟いた。





ふと冬弥の横に目をやると未だ緊張緩まぬ校長が居る。




ほんとに何でこんなに死にそうな顔してるんだ。




「裕一さん、現総理に全部任せましたね?」




冬弥が言う。





「そういえばそうだったなぁ。」





色々忙しかったので、高校入学関連の取り計らい関連の事を誰かに丸投げしようとした。





入学試験の改ざんや担任の指定なども含まれるからなるべく権力のありそうな人間に頼もうとしたのだ。






どれくらい偉ければ良いのかよく分からなかったからとりあえず総理大臣に頼んでおいたのだ……等の良い訳をする。





校長と冬弥が頭を抱える。




「裕一さん、流石にやり過ぎですって…」




「ごめんね」





校長は緊張でいよいよ石と化している。

可哀想に。誰がこんな酷い事を。





この様子じゃ多分頼まれた総理が張り切って直々に手紙を書いたみたいだな。

現総理は少々俺の信奉者じみた所がある。

あいつ忙しいだろうに…。





校長がおずおずといった様子で口を開く。

「それで…宇喜田さん。この高校へはどういった目的で…?」





「あー、実は。」





そういって俺はこの高校に来た目的を話し始めた。








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