第12話 ランク付け
これから怪異に対応する一団の総称を怪異家と呼ぶことにします。
肉屋とかお花屋さんとかそういうノリです。
宜しくお願いします。
冬弥が紙に怪異のランク付けを書いていく。
C級(最低ランク)
主に一般人の幽霊等。多くの場合脅威ではない。
B級
C級よりも一回り強くなっている。曰く付きの場所等に発生する場合が多い。付近に居ると敏感な人間は精神的な苦痛や頭痛を感じる事がある。
A級
一般人の体へと実害(傷病等)を発生させる場合がある。耐性の無い人間に対してはその場に居る事が困難な程の不快感を与える。
特A級
迅速な対応が必要であると考えられる霊的存在。放置した場合死人が出る可能性がある。
S級
いわゆる〝ネームド〟の怪異。
代表的な物に、「ちいさいおじさん」や「くねくね」等。
特S級
ネームドの怪異の中でも特に有名なもの。
代表的な物に「トイレの花子さん」や「人面犬」、「口裂け女」等が居る。
「へぇ。こんな感じの分類ね。」
「えぇ。まぁ分類制定の以来特S級はまだ確認されていないんですけどね。」
怪異は有名であればある程、力を持つ。
怪異の噂というのは尾ひれが着くものであるが、少しずつ追加されていく尾ひれと近しい力を怪異は身に付けていく。
例えば人面犬。
昭和から平成初期に噂が広がった怪異であるが、当初はただの人の顔をした犬であった。
しかし噂が広まるにつれ、
人の言葉を話す。
以上な跳躍力を持つ。
時速200㎞で走ることが出来る。
人面犬に追い抜かれた車は事故を起こす。
等様々な力を身に付けていった。
お陰でぐんぐん討伐難易度が上がってしまったのを覚えている。
まぁ今も現在進行形で力を伸ばしているのだろう。厄介だ。
因みに人面犬が我々、怪異家の前へと姿を現したのは3回だけである。
有名なネームド怪異は驚異的な力を身に付けている事が多い。
理性的な怪異も存在する為、一概に駆除の対象とはならないが、特S級ネームドと正面から相対してしまった場合は相当な被害を覚悟しなければならない。
因みに俺は過去に討伐したネームドで言うと「こっくりさん」が居る。
狐の神様、とされているが実態は降霊術によって呼び出された野良の霊であった。
当時それなりに噂が広まっていたので苦戦した記憶がある。
今の分類だとS級上位くらいの実力だろうか。
特Sクラスのネームドと戦った人間はほぼ居ない為、情報が開拓されていない。
「色々教えてくれてありがとうな。」
「いえ。ずっと単独で日本全国あちこち飛び回っていたのならその辺に疎くなるのは仕方ないですよ。」
1ヶ月程前まで俺はずっと怪異と戦いっぱなしみたいな状態を3年くらい続けていた。
ここ20年くらいで一番忙しかった気がする。
しかしこれだけ働いたお陰で3年分の休暇が取れた。
この休暇の間、廉の成長を見守るのだ。
「まぁ、学校に帰るか。」
「はい。」
そうして俺と冬弥は宇喜田家から海代高校付近へと転移していった。
次の日学校に来た冬弥はとても眠そうだった。可哀想に。
俺は回復術式を使って万全な状態で登校していた。
side廉
春雨寮怪異討伐から数日。
「おっ、新入生君じゃないか。」
廊下で声を掛けられ、見ると初日に一緒に銭湯に入った関口先輩だった。
「あ、関口先輩、こんにちは。」
「そういえば、前まで春雨寮に住んでいたっていうお寺出身の生徒がね、言っていたよ。〝春雨寮から悪い気配が消えた〟って。」
「へぇ、そうなんですね!」
「うんうん。もしかしたら気のせいって事もあるかもしれないけどね…」
関口先輩は苦笑いしながら言う。
結局不思議な存在は狐さんしか見なかったな。
狐さんが幽霊を追い出してくれていたりして。
「あれから何か変わった事はあるかい?」
「特に何も無いですね。2人しか居ないので凄く広々と使えちゃって申し訳ないです……。」
狐さんはいつも春雨寮に居るけど、家から通っているという事にしている。
「それは良かった。でもまぁ、何か気になる事があったら言ってくれよ。寺生まれの彼を紹介するよ。」
「ありがとうございます。困ったらお願いしますね。」
そうやりとりをすると関口先輩は歩き去って行った。
優しい先輩だなぁ。
side裕一
授業を終え、廉と共に春雨寮に帰る。
寮に帰ると狐が既に談話室でゴロゴロしていた。
「おーっ、お帰り。」
こいつ転移して帰ったな。不精者め。
「そういえば2人とも決めてある?」
「? 何を?」
「部活。」
「色々見て回ってから決めようと思っています!」
廉が言う。
やっべ、廉に夢中で忘れてた。
まぁ廉と同じ部活で良いか。
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