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竜泉郷。最近オープンした銭湯。男女に分かれた浴場、ジェットバス、そして、足湯が楽しめるカフェもある。
ミツハと結月そして手伝いでソプラが働いている。
この世界で生きるうえで自分で食い扶持は稼がないといけない。そのために何かしら働くべきと伊勢じいから言われたことがきっかけだった。
伊勢じいが調べた『クラミツハ』という名前は水を司る竜神様ということで、その水を司るという部分を活かすべくしてこの銭湯が生まれた。
実際やってみたらわりと簡単に水を操ることが出来た。もちろんこの水流操作は結月は知らず、機械で動かしていると説明をした。
ミツハが水流の操作でジェットバス、そして足湯に流れを作りることで心地よい安らぎが生まれ、それと同時にカウンターでドリンクを作る。
接客は着物を着た美人二人がやっているということで老若男女から重宝された。
これが口コミで話題になり、憩いの場として利用するお客が増えた。。
想像以上に繁盛したことで結月は掛け持ちだったバイトをここ一本にすることになりそれに伴い時給も上げ、ただで銭湯につかれる特権をつけた。
「まさにうってつけの才能じゃの。」
足湯に浸かりながら真緒が言う。
「ホッホッホ。なかなか高い順応性ですな。」
足湯に浸かりながら伊勢じいも言う。
「そうなんだよね。ミツハ君、料理できないけどお米の研ぐのと炊くのは上手いし、お風呂掃除、トイレ掃除なんかはピッカピカだし、モップかけさせたらチリ一つ残らないんだよね。
それに、飲み物に至っては配合とか割合とか感覚だけで美味しいの作れるし。」
結月が接客の合間に会話を挟む。
「これぐらいの人ならわりとミツハ君一人で回しちゃうんだよね。まぁ接客はもう少し特訓あるのみかな。あとは……」
と、結月が話しているとインカムから
「結月ちゃん!!ヘルプ!!ソフトクリーム」
というミツハの声が聞こえる。
「はぁい。ソフトクリーム今巻きま〜す。」
「ソフトクリーム?」
結月のインカムに話す声を聞き、真緒が疑問を投げかける。
「そう、こんだけ出来るのにミツハ君ソフトクリーム綺麗に巻けないんだ。変な話だよね。」
苦笑いしながら「はい、はい」と結月は向かう。
「ミツハの奴は器用なのか不器用なのか分からん奴じゃの。」
そして残された老人と魔王様はコソコソと話す。
「ここだけの話、ミツハ君が水質も綺麗にしているから実質水道代はかからんし、減った水も雨水でもその辺の汚い水でもいいからかさ増し出来ますしの。
毎日お湯は浄化されて検査が来てもなんの問題も無くクリア出来ますからな。」
「更にソプラが作る薬効玉のおかげで効能もアップしてるし土地はオカンのものだし、施設はカルビが作ったから我らは何もしてないしいい事づくしじゃ。」
「「ボロ儲け、ボロ儲け!!」」
揃って言い、老人と魔王がニヤニヤと不気味に微笑む。だが戻って来た結月に
「いつまでいるの?次のお客さん待ってるんだから働かないなら出てって!!」
と怒られ追い出される。しっかりと料金も請求されていた。