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ケガレナキアイ  作者: 秋栗実
11/17

初陣前、現地にて


 三人は山道を登り、広場に向かう。予定の時間より早く広場に着き、そのまま森の中に三ケ所離れて身を隠す。


 「(あ、あ、テストテスト。)」


 「うわ、頭の中に声が聞こえる。気持ち悪っ!!」


 「(ミツハ君大声は出さないようにお願いします。)」


 「ソプラさんも出来るの?」


 「(はい。これは『心言(しんごん)の術』と言います。)」


 「(とりあえず今、お前は声に出さずに頭の中で会話をするということだけを考えろ。)」


 「(これになんの意味があるんです?)」


 「(飲み込みが早くて助かるの。意味は大有りじゃ。)」


 「(真緒様。そこからは(わたくし)が説明致します。

 ミツハ君、戦いにおいて最も重要なことは何だと思いますか?)」


 「(火力?技?)」


 「(それも必要ですが一番必要なものは情報です。)」


 「(情報?)」


 「(はい。相手の技の名前、能力、作戦その他諸々。

 なのでその情報を伏せる必要があります。

 この会話方法ならば波長を合わせた者同士でしか会話が出来ません。

 この方法を使うことで仲間うちでのみ情報の共有が可能となります。)」


 普段あまり会話が出来ないせいかソプラさんは普段より生き生きと会話をしているように聞こえる。


 「(技を放つ際にも口に出す、出さないで大きく変わってきます。例えば『斬魔波動連撃(ざんまはどうれんげき)』という技があります。)」


 「(その技名なんすか?)」


 「(お前『幻魔討滅五人衆(げんまとうめつごにんしゅう)』読んどらんのか!!)」


 「(すいません。読んで無いです。)」


 「(名作じゃ。じゃあ『ソードウイッチ•桃香(ももか))」は?」


 「(すいません。読んで無いです。)」


 「(何じゃ。つまらん。いいか、ライトノベル、マンガ、アニメ、ゲームなどは我らの技、術、能力の底上げにとても役に立つ!!

 今日の戦いが終わったらしっかりと勉強するように。)」


 「(はい。すいませんでした。)」


 「(話を続けてもよろしいでしょうか?)」


 真緒とミツハのやり取りにしびれをきらしソプラが口を挟む。


 「(まず、技名を知られることでどのような技なのかというものを知られます。

 次にその技名を聞いた後に放たれる技で射程、その術技も知られます。これは魔術とかにも言えることです。

 例外もあります。あえて技名を言って技を放った後にその技名を言いながら他の技を放つということも出来ますが、そういうことが必要な場面というのも限られてきます。

 なのでその情報を相手に知られなくさせるために心の中での会話が必要なのです。)」


 「(もう一つあるぞ。)」


 真緒が口を出す。


 「(敵によってはその技の名前を盗む奴もおる。名を盗まれ、技を放つ所を見られたらその技を相手も使えるようになる。その名前を隠すうえでも必要なことなのじゃ。)」


 「(ものによっては名前を言わないと撃てない技、名前を言わないと力が入らないなどの人もいますからこの方法を使い己に聞かせることで発動は可能になります。

 ミツハ君は今日が初陣ですのでなかなか慣れないと思いますので後々慣れて言って下さい。)」


 ソプラさんの説明は分かりやすい。結月ちゃんと教え方も上手かったし、女性は教えることにむいているのでは。

 ん、真緒さんは今幼女の姿だよな……考えるのはやめよう。


 「(これは俺にも出来ますか?)」


 「(おお、出来るぞ。きっとな。今度教えてやるぞ!!)」


 「(いや、結構です。ソプラさんにお願いしたいです。)」


 「((わたくし)でよろしければ喜んでご教授致します。)」


 「(是非、お願いします。)」


 「(なんでじゃ!!)」



 ※「()」での会話は味方内での心の中での会話としてお読み下さい。

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