第十六話 時止め
首筋から汗がたれる。
呼吸を安定させる。油断もスキも与えるわけには行かない!
マナミ先生はアズがサポートしてくれる、私は全力で戦える。
「はああ!!」
私はユズルに向かって突っ込む!
ユズルはニヤッと笑い、
シュン!
剣を振る!
私の髪の毛が少し切れる。
避けたはずなのに!
「はああ!」
短剣をユズルに向かって刺す!!
「にひひ!」
ユズルの腕に刺さる短剣!
こいつ!効いてないの?痛みがあるはずなのに!!
私はユズルと距離を取る。
「なんで笑ってるのよ!」
私はユズルに向かって言う。
「痛くないからね。これ見てみて」
するとユズルは短剣をじわじわと抜く。
よく見ると刺さっている傷が抜け始めと同時に治る!
何よ、このユズルって子は人間じゃない?
いやそんなはずは無い!
ユズルは短剣を端に投げる。
「じゃあ次は僕の番だね」
バン!!!
ユズルの顔に弾が当たる!
これはマナミ先生!
「スキありすぎ!ヤミちゃん!これを」
マナミ先生は空間から剣を取り出し、私に投げ渡す。
「ありがとう先生!」
私は剣を構える。
使いやすい、なにこれ、先生さいこー!
「子供に手をあげるんじゃねぇ!」
ユズルが怒りをあらわにして私達を睨む。
その顔はもう子供ではない。
「スキあり!クイック!!」
私は剣を素早く振りユズルを斬りつける。
クイック、剣を振るスピードを普通の倍上げる。
「くっ!この!おん!!がはぁ!」
ユズルは血を吐く。
なんと腹を貫通する腕!その腕の正体はアズだった。
一体どんな技?
「へへへ、スキしかねぇじゃねぇか。早く決めるぞヤミ!」
アズはそう言い私を見る!
「わかってる!ふぅ〜神速!」
私はものすごいスピードでユズルを斬りつける!
神速、スピードもクイックよりも倍!そして力も倍! 終わりだ。
「終わりだ!」
私はユズルを攻撃しようとしたとき!
「くっ!」
私の体が止まる。
何?これ?悲しみが急に?
力がぬける。
私は地面に膝をつく。
「ひひひ、3人ともすごいね。僕びっくりしたよ。
でも、僕が呪い使えるの忘れてた?
言ったでしょ悲しみの使い手って」
ユズルはニコニコと私を見る。
私はアズたちの方を見るとアズと先生が止まってる?
時止め?
「あ、そうそうもう一つ指定の人以外を完全に止める事が出来る。
わかりやすく言うと時止めだよ」
ユズルは私に近づきそう言った。
そして静かに私に抱きつく。
何?悲しい、心が、ユズルに抱きつかれる前より悲しい。
私の目から涙。 おにいちゃんの事を思い出す。
「おにいちゃん」
私はそう言う。
「辛いなら、おにいちゃんの所行こっか」
ユズルはそう言った瞬間
ズブっ!
私のお腹に剣が刺さり貫かれている。
「あ、ああ」
私は口から血を吐く。
「死ぬまで抱いているよ」
ユズルの顔が見えない。どんな顔をしている?
私は死ぬの?仇も取れずに?
悲しみが溢れて動けない。
これが呪い使いの実力。
「あ、ああ、あ」
私の体からどくどくと血があふれる。
痛い、苦しい!でも、悲しみの感情が出てよくわかんない。
「終わりだね。ヤミちゃん」
ズボッ!!
刀を抜かれバタリと倒れる私の体。
血溜まりの上に私の体が。
ユズルの顔を見ると優しそうな顔をして私を見ている。
その時、
「生きろ!」
声が聞こえた。これはアズ?
でも、動けないはずなのに。
「死なないで!お願い!」
マナミ先生の声もどういうこと?私は目を動かし二人の方を見るが固まったまま。
「おやおや、時止めを馴れてきた二人が動きそうだな。
動く前に殺すか」
ユズルは二人の方を振り向く。
「立て!立て!立て!立てー!!!」
私は叫ぶ。体が限界を越えようとも!刺されようとも目の前で殺されるなんて!
絶対に見たくない!
私は体を奮わせ立ち上がる。
「あれれ?立ち上がるなんて凄い!
これが呪い使いのたまご?こんなのたまごじゃないよ。
呪い使いの一人レベルだよ」
ユズルは嬉しそうな顔で私を見る。
「覚悟はいい?私はオッケーだよ!」 私はユズルを見つめる。
今の感情は悲しみではない。
守る者が居る喜び!
「はは、これはヤバいかも」
ユズルが不穏な顔を見せる。
m(_ _)m
呪いでは無いね。




