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座敷わらしとの約束

どもども! 近所の人からサブレーもらって満足のサトマロです!

もう物語も終盤戦、あと3、4話で終わり、最後までお付き合いいただけたら幸いです!

雨上がりの朝、あの灰色の雲は一体何処に消えたのだろうか、キラキラと輝く朝日が宮城の大地を照らす。川にはシオカラトンボが飛び回り、それを狙う鳥たちがチュンチュンと鳴く。


 そんな美しい光景が外には待っているとは知らずに信夫は部屋にあったよいこの妖怪図鑑を読んでいた。


 「座敷わらし……」


 幸福をもたらすと言われている座敷わらし、幸子ちゃんがそうなのかと考えているとこの文章が目に入る。


 座敷わらしが去った家には災いが訪れる。


 幸子ちゃんがこの家から居なくなったらヤバイんじゃね?そう思った信夫はご機嫌取でもしておこうと思い、リュックをガサガサ漁ってお菓子を探す。


 「無い……」


 大好物のチョコレート菓子をいくつか自宅から持ってきては居たのだが、まとめて入れておいた袋ごと消えていた。


 「俺のチョコレートが……」


 結構本気で落ち込む信夫、恐らく犯人は幸子ちゃんでは無いだろう、最近のお菓子はこうなんだ、と言っていたのだから。


 「あいつか!」


 犯人を特定した信夫は犯人の部屋に急ぐ。そして勢い良くドアを開けて


 「千尋さん! 俺のチョコ食ったろ!?」


 千尋は何週間も前のスポーツ雑誌を読みながら


 「違うよー」


 と。しかし見覚えのある袋が転がっていた。


 「最後までチョコたっぷりでしたか?」


 千尋は満面の笑みを浮かべて


 「ごちそうさまでした」


 と。滅多に怒らない信夫も流石に


 「ふざけんなよ! このアマ! 一つくらいなら許したよ! でも買っておいたやつ全部はあんまりじゃねぇか!」


 「良いじゃん減るもんじゃないし」


 「減るんだよ! 腹も金もチョコレートも!」


 すると千尋が逆ギレしたかのように


 「いいじゃん東京にはいくらでもあるんだし! チョコくらい食べたって良いじゃない!」


 流石に呆れてきた信夫、すると騒ぎを聞き付けた祖母が


 「どうしたの騒々しい」


 「千尋さんが俺のチョコ食っちまったんだよ!」


 一瞬の戸惑いも無くチクる信夫、すると祖母が


 「え!? あのチョコレート信夫ちゃんのだったの!? 千尋さんが手に入ったからどうぞって……」


 千尋を鋭い眼光で睨み付ける信夫、すると千尋が


 「わかったわかった、こうしよう、信夫君が帰るまでに何でも一つ言うことを聞いてあげる、それで文句ない?」


 大有りである、しかし騒いでも暴れてもチョコが戻ってくる訳ではない、駄菓子屋にはコインチョコやパイプチョコはある、しかし最後までチョコたっぷりのあれや玩具付きの卵型チョコは返ってこない、信夫はその条件を飲むことにした。すると祖母が


 「これでお菓子買ってきなさい」


 と、千円札を一枚渡す。中学生の千円と言ったら大金も良いところ、信夫の月の半分のお小遣いなのだから。


 千尋が運転するトラックに揺られて駄菓子屋に到着するや否や


 「何を買ってやろうかなぁ?」


 信夫の目付きはまるで宝くじ一等が当たった社畜のサラリーマン、手始めに1枚十円のコインチョコをわしづかみにして買い物カゴに放り込む。

  

 パイプチョコを5本、シガレットを2箱、ピーピーラムネにコーラガム、これでもかと言うほど大量のお菓子を次々と籠に放り込む。

 

 そして最後に目に止まったのは鈴くじ引き、くじに書いてある番号が低ければ低いほど大きな鈴がもらえる、まさに子供のギャンブル、値段も100円とお高く、臨時収入があった子供しか楽しめない。

 

 「鈴くじか……」


 信夫の答えはもう決まっていた。


 「おっちゃーん! 会計! あと鈴くじ!」


 鈴くじ引きを合わせても会計は700円ちょい、まるで大富豪の子供になったかの様な気分の信夫は勢い良く、豪快にくじを引く。


 「3番?」


 3番の鈴は大当たりと言える代物で水色の輝きを放つその鈴に禍々しいこの世の欲が宿ったかのような顔が映る。すると信夫はこう考えた。


 これ使って幸子ちゃんこと座敷わらしを誘き寄せられるんじゃねぇかなぁ


 作戦は今晩決行することにした。


 夜、辺りは月明かり以外の明かりは無いのに飛び回っている虫がしっかりと確認できる少し不気味な夜だった。


 信夫は枕元に鈴を置いてその時を待っていた。しかしだんだん眠たくなってくる。眠らないように脳内でテトリスをする信夫だった、次の瞬間


 ガラン……


 と、鈴の鳴る音、信夫は腕を伸ばして鈴を回収しようとする、しかし幸子ちゃんの腕までつかんでしまって


 「きゃぁ!?」


 と、可愛らしい悲鳴を上げる幸子ちゃん、信夫は この家の将来の為だ、と心に言い聞かせて


 「鈴が欲しい? この鈴で良いならあげよう、ただし一つ条件付き、この家にずっと居ること、この佐々木家が無くなるその日まで」


 すると幸子ちゃんは


 「お腹すいた、ギブミーチョコレート」


 と、信夫は昼間わしづかみにしたコインチョコを全て渡して


 「不謹慎だからやめな? ギブミーチョコレートは」


 幸子ちゃんは満足そうな顔をして鈴とコインチョコを両腕に抱えて姿を消した。


 そして幸子ちゃんが姿を表す事はその日を境に無くなった。すると次の日から良いことが立て続けに起き始めた。

座敷わらしって本当はどんな見た目してるんでしょうかね?

座敷わらしにも流行りの着物があったりして…… そんなことを考えるサトマロでした!

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