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駄菓子屋のち怪奇現象

どもども! 今起きてこの前書きを急いで書いているサトマロです!

今回は普段より長めです!

お楽しみください!

山を降りて少し進んだ所に中土町と言う少し大きめの集落がある、日常生活に必要な物は全てこの集落で買う他無い、その日信夫は千尋の運転するトラックに乗せられて買い出しの手伝いをさせられていた。


 トラックのエアコンはとっくの昔に壊れていたらしく、窓を開けるか濡らしたタオル等で体を拭く事くらいしか暑さ対策のしようがなかった。


 その日は普段より暑く、信夫はだらだらと額を流れる汗を濡れたタオルで拭いていた。


 「私にも貸してよ」


 信夫は健全な中学生としての興奮が止まらなかった。俺の汗を拭いたタオルを千尋さんが自分の汗を拭くために使う!? これは間接的にその行為をしているのでは無いだろうか…… どんどん妄想が広がる信夫。


 「借りるよっ」


 千尋が半ば強引にタオルを奪うと額から流れた汗を拭き、しっとり濡れた胸の谷間を拭いて信夫にタオルを返す。


 「ありがとね」


 こちらこそありがとございます! そう心の中で叫ぶ信夫は谷間を拭いた辺りの部分を使って鼻の下の汗を拭き取る。


 そして中土町に到着したのは午前9時頃、トラックでは無く他の物に酔ってしまった信夫は心を落ち着けようと少しばかし勢い良くドアを開けて地面を自慢のスニーカーで踏みつけて大きな深呼吸をし


 「花畑の香りだった……」


 と、呟く。


 スーパーマーケットは愚かコンビニすらも無い、あるのは個人経営の小さな店がちらほら、そして農家民家、少し遠くに見えるのは小学校だろうか、中土町の景色を楽しんでいると千尋が

 

 「早く行こ、お昼に間に合わなくなっちゃうよ」


 信夫はポンッ! と、背中を押される恋愛ゲームの様な展開を想像していた、しかし千尋は素通りも良いところ、買い物リストを見ながら先に行ってしまう。信夫はあわてて小走りで追いかける。


 一通り買い物を終える二人、荷物は全て信夫が持たされていた。すると千尋が


 「おつり余ってるしどっか寄ろうか」


 何処かに寄る? カフェか!? レストランか!?   それとも休憩施設か!? え、てか俺って千尋さんから異性として見られてる? 妄想がどんどん広がる信夫、到着したのはお世辞にも綺麗とは言えない駄菓子屋だった。え、カフェは? おしゃれなコーヒーは? そんな事を考える。すると千尋は顔に出ている文字を読んだとでも言うのだろうか


 「三千円しか貰ってなくてお釣りが500円ちょい、お店で飲める訳無いでしょ?」


 と、しかし辺りを見渡すもそれらしき建物が無いのは先ほど確認したばかり、不満そうな顔を浮かべながら駄菓子屋に入る。


 中にはまるで昭和の駄菓子屋とでも言うのだろか、蚊取り線香の匂いと布団の匂いが混ざった様な匂い、それが信夫にはとても心地よい匂いに感じた。


 「私が運転で信夫君が荷物持ち、運転は偉いから私が350円で信夫君が150円ね」


 なんとも理不尽な話だ、信夫は150円の小銭の臭いが手に付く程強く握りしめて買うものを探す。


 まず目に入ったのはガムのくじ引き、一回50円と言う痛手だが駄菓子屋ならではの娯楽、後の100円を大切に使おうと決める。


 次に目に入ったのはスーパーボールくじ引き、当たりは巨大なボール、外れはみみっちいサイズのボール、博打に出るか? 悩むが値段を見て却下の判断を降す。


 「100円は高いぜ……」


 次に目に止まった駄菓子はとても魅力的に見える物だった。黄金色に輝く丸くて薄い甘いやつ、その正体は低学年の頃良く海賊ごっこ等の小道具として使っていたコインチョコだった。


 「懐かしいなぁ、皆貰ったおこづかいを全てこれに使った事もあったっけ、そうそう、一つ10円、これは買いだな」


 髭を生やした中年男の店主に150円を渡していざくじ引き!


 (全ての神経を研ぎ澄ませ、俺の未知の能力よ、目覚めろ!)


 頭の中でそれらしい台詞を唱えて引いたくじをぺりぺりっ、と捲る


 トラックの中で信夫は千尋に大笑いされていた。


 「あんた50円くじやったの? それで薄っぺらいガム一枚? あっはっは!」


 ハンドルを握る千尋の両手がプルプルと震えているのを見た信夫は軽く怒りを覚えた。


 味が無くなったガムを噛み締めながらでこぼこ道を進むトラックはゆらりゆらりと揺れる、しかし信夫の目に写るのはトラックから見える景色ではなく、プルプルと揺れる二つの果実、そう、千尋の胸であった。


 さすがに味の無いガムを噛みすぎたのか、少し胸焼けがし始めた。


 「ティッシュあります?」


 と、一言、すると千尋は


 「ガム捨てるの? なら頂戴」


 千尋が片手を差し出す。何が起きているのだろうか、この人は何を言っているのだろうか、まさに開いた口が塞がらないとはこの事だった。口からポロっと落ちるガムをキャッチした千尋はそれを口に放り込む。信夫は目を真ん丸にしてその光景を楽しむ。そして次の瞬間千尋がガムを飲み込んでしまう。


 (間接ディープキス……)


 新たなる体験をした信夫はコインチョコのアルミを剥がす。


 「あ、折れた」


 コインチョコを何枚も食べていると口が甘くなり喉に糖分がこびりつくのが感じられた。すると千尋が瓶のサイダーを飲んでいた。瓶にこびりつく結露、この暑いトラックの中であれを飲めたらどんなに爽快だろう…… なんて事を考えている、すると千尋が


 「飲み物もちゃんと考えるのが大人の駄菓子屋の基本だよ」


 150円で何が飲み物も考えろだ! そう怒鳴りたくなる信夫、


 (そうだ、一口もらえば良いじゃないか)


 一つの結論に至った瞬間だった。


 「千尋さん、一口頂戴」


 「無理」


 結論が崩れ落ちる瞬間だった。


 「この暑い中のサイダーだよ? ただであげるわけにはいかないよ」


 俺の子供時代だって皆で100円のジュースを分けあいながら飲んでいたんだぞ!? しかしここで諦めるわけにはいかない、そう心に言い聞かす信夫はコインチョコ一枚と交換を持ちかけた。


 「シャークトレードって知ってる?」


 千尋のその言葉で全てを諦めた信夫、すると千尋が買い物袋から一つのジュースを取り出して信夫の手に握らせる。


 「私もそこまで鬼畜じゃないよ、飲みな?」


 冷たいジュースが喉を伝って胃袋に落ちていくのが解る、体の熱とジュースの冷たさが中和されていく瞬間だった。

 

 そしてその日の夜、再度怪奇現象は起こる……


 ドドドド!


 廊下を走る何者かの足音、再び落ちるよいこの妖怪図鑑、もう嫌だ! すぐとなりの部屋で寝ている千尋に助けを求めるべく駆け足で廊下を移動して素早く部屋に入る。


 「千尋さんここ何か居るよ! お化けだよお化け!」


 気持ち良く寝ていた千尋は起こされた事に腹を立て

 

 「お化けぐらい居るよったく、座敷わらしだよ座敷わらし、遊んでやんな!」


 部屋から閉め出される信夫、その気配はすぐそこに来ている事がはっきりと解った。恐る恐る後ろを振り向くと何もない、おじいちゃんの部屋に行こう、そう思い歩きだす、しかし絶望はすぐに訪れる、おじいちゃんの部屋の前でボロボロの着物を着た女の子が鞠着き(まりつき)をしながら何かを歌っていた。


 それを見なかった事にする信夫は部屋に戻り、部屋中の電気を全て着けてゲームをやりだした。

駄菓子屋と言ったらガムくじと言う印象が個人的にはあるんですよね

確か50円位だと思ったんですけど…… あれって外れだと薄っぺらい一枚のガムしかもらえないんですよね(笑)

でもそのガムが意外に美味しくて何回もやってしまう子供時代のサトマロでした。

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